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排水溝と冬空の散歩、ビジネスの着想/随筆

 当直明けの頭に珈琲を補給してから帰宅すると、阿鼻叫喚が待っていました。あさごはんー!と叫ぶ息子、決壊したオムツとイブルマットのシミ、泣き続ける娘、洗濯機の前で水を汲み出している妻。

 ・・・んん??

 なぜ妻は洗濯機から水を汲み出しているのでしょうか。

 手分けして子供たちを落ち着かせながら話を聞くと、事の発端は昨夜開始した洗濯槽洗浄のようです。夜のうちに済ませて朝には爽快な洗濯機を期待していた妻を待っていたのは、エラーメッセージと水の貯留した洗濯機でした。

 詰まったか!

 妻調べによると業者を呼ぶと随分費用がかかるようで、なんとかならないかと水を汲み出すところから始めていたようです。今は情報にアクセスしやすい時代ですから、私も早速Google先生に質問します。次々と「詰まりを解決してくれる業者」の広告が現れます。違う、そうじゃない。

 個人ブログでそれらしいところを見つけ、このページも随分広告が多いなぁと思いながら、それでも必要な情報は得られました。

 狭い設置場所から洗濯機を動かすのには苦労しましたが、裏側に入って排水溝とホースの接続部を外します。ごぽ、と水がホースから出てきて、みますと排水溝に大量の埃やらカビやらの巣が生まれておりました。幸いホースは詰まっているようにみえません。私は使用済み歯ブラシや雑巾などを駆使して排水溝を掃除していきました。

 仕上げにパイプユニッシュ的なものを使用して、ホースを排水溝に接続します。これで復活してくれと祈りながら、すすぎ、脱水。

 洗濯機の救命に成功しました。

 洗濯機を回して洗濯物を干してから、冬空の下の散歩に繰り出しました。


 さて、先ほどの作業。専門業者に依頼すると相当費用がかかります。かなり幅があるようですが、特に「すぐきてくれる」ようなところは高額でしょう。さらに問題がホースや排水溝にとどまらず洗濯機の内部の問題だった場合には、結局これはメーカーさんに直接依頼しないとだめですねー、みたいになりそうです。

 しかし、それがビジネスとして成立している。

 需要と供給が成立すれば、それは商売になります。すぐに駆けつけるネットワークを構築しておいて、多少高額でも背に腹は変えられない、という状況を狙うわけですね。ハチなどの害虫駆除業者も似たようなビジネスモデルと考えます。

 もうひとつ。私が参照したブログ。あれも一種のビジネスです。私は無料で情報を入手しましたが、これでもかと怒涛の表示を受けた広告は、ブロガーの広告収入になるでしょう。私は表示された広告をひとつも覚えていませんが、何度もみているとサブリミナル効果よろしく深層心理に染み込んで、効果が現れるのかもしれませんね。あ、noteは広告表示がないところも好きです。

 そもそも私が使用した検索エンジンも、Googleの画期的なビジネスモデルの一部です。もはや直接モノを売り買いしていた時代からは想像もつかないような「仕事・稼ぎ」の方法が、そこかしこに蔓延しています。

 そんなことを想像しながら散歩していると、いつのまにか書店に誘導されていました。

「オーロラ姫と、フィリップ王子、読む!」

という息子の一言で『眠れる森の美女』の絵本を購入し、帰路につきます。ディズニーの数あるキャラクターの中で、敢えてのフィリップ王子推し。趣味が渋いですね、息子よ。

 価値を生み出す側に回るのは難しい。

 ひとりの消費者としてビジネスに想いを馳せる休日の昼でした。


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#オオスズメバチはマジで危ないので素人が手を出してはいけない

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