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退路を断たない覚悟

 フィクション・ノンフィクションを問わず、退路を断って成功したエピソードは魅力的に映ります。

 「もう後戻りできない」という自己陶酔・・・・の中で目標に邁進する姿は不思議な生命力を帯びて、例えばそれが伝記のようなものであっても、様々な修飾を受けながら物語化されていくのがエンターテイメントというものでしょう。

 何故、流行るのか。

 もし、退路を断って成功するというドラマが日常にありふれていたら、それは凡庸な物語であって特別の注意をひくことはないでしょう。裏を返せば、この思想の流行は成功率の低さ、エピソードの希少性に起因すると考えます。

 窮鼠は猫を噛むかもしれないけれど、直後に待ち受けるのは捕食される未来。どう転んでも鼠の能力は戦闘には向きませんから、あの諺は猫の慢心に対する戒めであって、鼠の潜在能力を過信するのは禁物です。

 ジョブズのような天才はアテになりません。
 あれは規格外、統計における外れ値ですから、何の参考にもならないばかりか真似すると大変な目に遭うことが明らかです。

 成功者の多くは、静かに暮らしています。
 何故ならば成功をアピールすることは他者の嫉妬を買うリスクになるからです。成功者の中の極一部、例えばアピールすることが広告の役割を果たすような起業家や、或いは承認欲求を拗らせた面々が、自伝的に成功を語っているに過ぎません。

 退路を断つのと対照的に、逃げ道を用意しながら新規開拓を図る手法があります。例えば銀行に勤めながらAmazonの起業準備を進めたジェフ・ベゾス氏のように、サイドプロジェクトから始動することの重要性を説くのは実業家の田所雅之氏です。

 田所氏の主張もひとつの考え方に過ぎませんが、成功を追い求めるより失敗を回避しながら継続するというスタンスは、私にはよく馴染みます。

 私は常に逃げ道を用意しながら生きています。
 高校時代に取り得た幾つかの進路のうち、最も安定性の高い医学の道を選択したことも、少なからず退路を確保するスタンスの影響があったと振り返ります。医学部入学前から漢方医学をやろうと決めていたものの、職人技とセンスを求められる茨の道でしたから、卒後は先ず内科学の中で最も逃げ道が多く市場価値も高い呼吸器内科学を専攻し、漢方医学はサブウェポンとして始動しました。

 呼吸器内科学と漢方医学がそれなりの形になってきた今、私は医師を続けながら、これまで走らせてきた複数のサイドプロジェクトの比率を少しずつ増やしています。それらが成功すれば良し。成功せずとも本業があれば痛くありません。

 ひとつ大きな目標として、西洋医学・東洋医学・心理学という形而下学と、哲学・占術・陰陽道といった形而上学の融合によって諸問題の解決するシステムの構築を目指しています。

 誰かにアイディアを盗られる心配はないでしょう。何故ならば、六つの専門分野を同時に習得し実践する酔狂な人間など、きっと古今東西探しても見つからないからです。

 私は稀有な事に、その酔狂な人間です。

 医師として西洋医学と東洋医学を其々修めて融合しながら実践し、同時に占い師としてはタロットと四柱推命を専門に構えて活動しています。

 心理学と哲学を本格的に学んでいたのは大学時代で、医学部カリキュラムの隙間を縫って講義に出席しては専門書を読み漁りました。哲学系講座の教授から「医学部辞めてウチの教室に来ないか。」と勧誘されるくらいには、その分野に没頭しました。

 心理学と哲学の素養は診療業務を含めた日常のあらゆる場面で役に立っています。体質的に陰陽道と親和性の高いことも、霊障と対峙するシーンでは大いに助かります。霊感という怪しさ満載な詐欺の温床を手放しに肯定することは出来ませんが、科学の目が未だ観測し得ない怪奇が確かに存在することを、私は知っています。


 特殊性の高い個人に依存するビジネスモデルは、スケールアップすることが困難です。今のように細々と続けていくのもひとつの道ですが、このスタイルでは手の届く範囲に限りがあります。

 チームを組むのが良いでしょう。 

 個々人が全ての分野を網羅する必要はありません。西洋医学、東洋医学、心理学、哲学、占術、陰陽道あるいは霊感や超自然現象など。ひとつでもいいし、複数でもいい。専門的な知識や技術のある方も、これから学ぼうという方も、少しだけ興味があるという方も歓迎いたします。

 或いは、悩み事を抱えていて、どこに相談すればいいのか、誰に相談したらいいのか分からないような方にとっても、有用な場所になるでしょう。

 noteというプラットフォームは様々な試行を実現可能にしてくれます。

 「秘密基地secret base


 それがプロジェクトのコンセプトです。

 混乱する現代社会で多くの悩みを抱える人々が、諸問題を解決できるように、「誰にも言えない」から解放される場所の役割を担います。その場所では匿名性を保ちながら秘密を共有し、専門家に悩み事の相談をすることができます。

 興味がある分野を学ぶのも良いでしょう。初めは相談する立場だった人が、自分の得意なことを見つけて磨いていく中で、誰かの役に立つようになるかもしれません。

 私が、貴方を肯定します。





 拙文に最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。願わくは、貴方の悩みが晴れますように。



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