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ティール組織から考える日本社会の改善について

【講義を終えて】

改めて、嘉村賢州さんによるティール組織についての説明について振り返っていきたい。
そもそも、ティール組織とは何か。
その背景には、個人のコミュニケーションコンプレックスを克服するために、コミュニティの場を提供しよう、という意図もあったというが、
企業に例えると、現代の多くがヒエラルキーで成り立つ企業から、今までと違う全くユニークな組織→ティール組織ということになる。

ティール組織を考えるにあたり、組織の進化形態が明記されている。
*レッド→力による支配。短期的思考。
*アンバー→長期的展望。厳格な階級に基づくヒエラルキー。
*オレンジ→科学的マネジメント。社長と従業員のヒエラルキー。
*グリーン→多様性の尊重。ヒエラルキーを残しつつ従業員の呼称をメンバーへ。
そして、
*ティール→信頼で結びついている。指示命令系統なくて良い。

この形態から、オレンジまでは似ていて、現代の多くの日本企業がオレンジ(評価制度、出世、スキルで雇う等)であり、グリーンは、評価制度や稟議書上げる、等でなく、文化、ワークショップ、対話を通してみんなで決めていく、複数業務(副業)推奨等、という違いがあるということになる。

オレンジまではご存じの方も多いように、上司の指示に従う部下、見積を所属長まで回す、等しっかり整えられた環境であり、日本企業は特に大切にしなくてはならない体制。一方で、現代社会において多様性が求められている中、目指すべき理想はグリーンの形態。但し、多様性を尊重するあまり意見がまとまらないという罠があるのもグリーンであったり。
そこで、ヒエラルキーで成り立つオレンジまでの形態や、グリーンの形態のような分散型企業を統合することが、ティール組織に求められているということになる。

このティール組織を実現していくために、講義ではソース原理の紹介があり、ソース(創業者、アイデアを実現するために最初のリスクを取る人)の存在が、ビジョンの実現に向けた次のステップを明確にするための大切な存在であることが明かされた。
上手くいかないときは、インナーワーク(戦略ばかり考えるのでなく、自分を整える、全体性を取り戻す)ことが重要であることも。

実際にソースがどんな人なのか、インナーワークでどういうことをすれば良いのかまでを考えるまでに至っていない今であるが、その中で、まだ海外でもはじまったばかりの組織のため、自称ティール組織が増えてしまっていたり、進め方が分からなかったりしている現状に、ティール組織を目指していくためにはまだまだ問題があることも見受けられた。

【ティール組織から考える日本】

今、多くの日本企業は、進化携帯ではオレンジの科学的マネジメント、社員と従業員のヒエラルキーが確立されているのではないだろうか、と感じている。
個人的な経験からの話にはなってしまうが、私の経歴上、2社目で経験したベンチャー企業を取り上げてみたい。
2社目では、入社当初、社内の制度も整っておらず、複数部署を兼任していた。本業はECサイトの運営であるが、パソコン周りの設定、備品発注等、総務の仕事も同時にこなしていた。しかもそれも、社長と直接話して進める業務がほとんどだった。この時は、社員全員が対等に意見を言い合えたり、とにかく体制を整えていくために、出来る人が出来ることをやる環境だった。ただし中々状況が改善されず限界を迎え、体制を整えるため、どんどんベテランの経験者が入社してきた。私の上司にもなり、社内でのルールがどんどん作成されていき、会社として成り立っていく時期を一緒に進んでいった。

何とも言い表しにくいが、入社当時は、社員が対等で、特に業務ポジションがあるわけでもなく色んなことができていて、形態ではグリーンに近かったのかもしれないが、結局個々の能力が足りないことが、オレンジの形態へ戻らざるを得ない状況になる要因にもなってしまったかのように思える。
この一連の流れは、ティール組織を考えていくうえで一つ手がかりなのではと感じた。この会社は、ヒエラルキー体制が本当に必要だったのか。ソースが機能していなかったのか。
でも、結局は会社として利益を伸ばし存続していかないことには始まらない。だからこそ、ベテランをどんどん入社させるという流れは必要不可欠だったと思う。
答えがない文章になってしまったが、このことからティール組織を目指していくうえでも個々の能力はやはり必要なのではないかと感じてしまう面もある。

【最後に】

まとめが難しい内容になったので、嘉村さんの説明の中で印象に残った言葉を連ねてみる。

・マーケティング活動。これを使うと売れる。ばかり考えてしまう。
・何か資格を取らないと。成長しないと。という焦り。
・組織に合わず体調を崩してしまう社員。
・企業の成長を考えるあまり、地球環境にも弊害を及ぼす。
・そういう組織を応援している経済。
・良い企業は、組織の自慢じゃなくて、まずサービスの自慢をする。

これまでかなり企業目線で記述をしていたかもしれないが、私が注目したいのは、上記の2つ目と3つ目。
いくら経済に合った組織作りをしていかないといけなくても、結局は、働く人々の身にならないと。働く人々が、快適に働けなければ、組織も崩れていくに違いない。だから、どの組織形態にしても、自分にあった組織が良いに決まっている。
そう考えたとき、やはりみんなが平等に、多様性を尊重し、したい仕事ができ、複数仕事をすることができる、そんな組織形態が出来上がれば、組織に悩んでいる人々も減っていくのではと思う。私は、少しでも、組織に合っていなくて苦しむ人々を減らしたい。
ティール組織を目指すことは、その方向を示してくれるヒントだと感じる。


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