『Web3時代の製造業DXを考える』
全てがマイクロ化していく
これからの社会、全てがマイクロ化していくのではないだろうか?
(こちらの記事も参考にしていただければと思う...)
Web2からWeb3へのシフトは、”真の個の時代”の到来だと思う
Web3にシフトすれば、顧客がマイクロ化する
1億総自己主張時代、1億総メディア時代と言われるように個の力が強くなる
そうなれば顧客接点もマイクロ化する
今まで大量生産によりコスト削減をはかってきた企業も多様化する個のニーズに対応せざるを得なくなる
部品等もより多品種少量の生産になる
物流も適時の配送になりロジスティクスもマイクロ化するだろう
いわゆるフィジカル・インターネットである
ここ最近のビジネス環境は目まぐるしく変化している
D2C(Direct to Consumer)からC2M(Customer to Manufactory)へ、その先にはDAO(Decentralized Autonomous Organization)/Web3が待っている
そして、突きつけられた「2025年の崖問題」
経産省が、「2025年の崖問題」を提起し警鐘を鳴らしている
DXを実現することにより2030年にはGDP130兆円を目指す製造業は日本経済のGDPの2割を占める基幹産業であり、この中に多くの中小規模の製造業が含まれる
ということで、中小規模製造業のDX実現は必須なのである
さて、この製造業の構造であるが、今までは、大企業の大量生産を支える垂直統合型サプライチェーンの中で、中小規模の製造業は、低価格・高品質・短納期という要求に応じてきた
しかし、大量生産した同一製品が受け入れられるという状況が変化している
1次請けの企業が顧客からマス・カスタマイゼーションの必要性を要求される
さらにその先の中小規模の製造業は、受注生産、特注に舵を切らざるを得なくなる
これは、生き残りをかけた改革の必要性を意味する
Web3の時代に突入すれば、このような環境の変化は、より顕著に現れるのではないだろうか?
その変革が、下請け構造から脱却し、個々の企業の強みを活かした水平方向の連携構造への転換である
IPA等が出している「中小規模製造業におけるDX推進ガイド」も参考にしてもらえればと思う
https://www.ipa.go.jp/files/000096313.pdf
「中小規模製造業におけるDX推進ガイド」の中で、中小製造業におけるDXの目指す姿として、
・スマートファクトリー
生産性の向上(低コスト化)、高品質を目的とし、工場の製造装置やプロセスを対象に製造装置の稼働データや製造プロセスの運用データ、製造物の品質データ、
作業者の動作データを活用した上で、装置の遠隔監視や遠隔操作、故障予知、稼働分析、製品の良品判断などを実施し、製造効率の向上、製造品質の向上を目指す
・スマートプロダクト
製品に対するユーザ体験の向上、顧客価値の向上を目的にし、製品(プロダクト)を対象に製品の実使用時のセンシングデータや製品の動作データを活用した上で、製品の動作監視、動作制御、故障予知、稼働分析などを実施し、製品の機能拡充、スマート化、故障リスクの回避などを目指す
・スマートサービス
ユーザ体験の向上、顧客価値の向上を目的とし、サービスやそれを利用する顧客、環境を対象に、サービスで扱う各種データ、顧客や環境の観察データ(故障時データやクレームデータも含む)を活用した上で、サービスの稼働監視、サービス提供の制御を実施し、サービスのオンデマンドとリアルタイム提供、サービス不調の回避などを目指す。
が、あげられている
さらに、このような環境の中で、この目指すべき姿を実施していくには、いくつかの課題があることも指摘されている
・マインドセット・企業文化の課題
改革をすすめようとしても、これまで成功してきた仕事のやり方が、マインドセット、企 業文化に根付いているため改革が進まないという課題がある。従来の品質や丁寧さを重視する日 本の生産現場の風土がスピードを重視する DX の抵抗勢力になりかねない。ベテラン技術者が整 理されていない資料棚から必要な情報を探し出すことに敬意を払うような風土や「わからないことは ○○さんに聞け」など「属人化した技術」をよしとするマインドセットも DX の取り組みを阻害している と考えられる。
・データ活用推進の課題
データ活用を推進する上での課題 新たな取り組みに対し自分の会社にとってのメリットやデメリット、費用対効果がよくわからない、
デジタル技術導入の効果がわからない、他社の「導入成功事例」を見るだけでは IoT、AI 投資を決 断できないと指摘している
その要因としては、データ活用に必 要な費用の捻出、データ活用に必要なデジタル人材の不足などさまざまである。例えば、稼働状 況の見える化と現場の工夫で稼働率を向上する以外に、製造設備に関するデータ活用の方法が わからない、高度な製造機器を使いこなし、かつ IT がわかる人材は非常に少ない。
・企業間連携の課題
企業間連携を推進する上での課題 調査した文献において、「企業間で工場のデータを共有すると現場のノウハウが盗まれるリスク
があるので、契約で定めた相手以外には、絶対に見えないような仕組みが要る」と指摘している
・製品・サービス変革の課題
製品・サービス変革を推進する上での課題 新たな取り組みを推進する上での課題として次のような点が指摘されている
1 つ目は、「技術が難しくてよくわからない」
2 つ目は、「自分の会社にどのようなメリットがあるのかよくわからな い」、
他社の「導入成功事例」を見るだけで、IoT、AI 投資を決断する中小企業の社長は、まずいな い」。
「ものづくり白書(経済産業省)」においては、収集したデータを工場の生産性向上に活用してい る企業は着実に増加している一方で、顧客とのやり取りやマーケティングを視野に入れている企業 はわずかと指摘している。このように新たな製品・サービスを生み出す際に、顧客視点で考えること や顧客における製品の使われ方を把握することが重要となるが、デジタル技術を活用した新たな 製品・サービスの創出が漠然としているため、どうやって取り組めば良いのかわからないという課題 がある。
といった課題が浮き彫りになっている。
さて、「DX」は短期的な取り組みではなく、中長期的な企業変革を成し遂げるための手段である。
そのため、企業変革の目指すべき姿も現在の課題を解決するだけではなく、未来を見据えた企業変革を実施していかなければならない。
環境はものすごい勢いで変化している。
前述の通り、個の時代に即した企業変革の方向性をしましていかなければならない。
と言われても…
何をすべきか?
まずは、己を知ることではないだろうか?
自社の存在意義は何か?
自社の現在の業務構造は?組織は?プロセスは?ビジネスモデルは?
全てを可視化するのが変革への第一歩である
まずは、自社を知ることではないだろうか?
一足飛びに「DX」で企業変革を成し遂げることは不可能である。
自社が持つ強みは何か?それを生み出す組織や業務構造はどのように構成されているか?
その業務をこなす上でのプロセスはどうなっているか?
業務構造と組織を運営していくリソース(ヒト、モノ、カネ、データ)はどのようなものが存在しているかということを明確にすべきである。
それに対して、今後迫り来る未来を想定し、どのように企業変革を実現していくかを見定める必要があると考える。
未来と現在のギャップを炙り出し、企業変革の方向性を決める。
その企業変革の方向性に対して環境の変化に対応しながらチューニングして進めていく必要がある。
注意すべきは全てを一気に変革するのではなく、変革すべきところ既存事業から切り出し進めていくべきだと考える。
そのフレームワークとして有効なのが、以前からnoteの記事でも書いているZone Managementの活用である。
こちらも参考してもらえるとありがたい
まずは、己を知り、外部の環境を客観的にかつ大局的に捉え、変革への道を示し、環境の変化に対応しながら変革の道程をチューニングしながら推進していく必要がある
これからの日本の持続的発展を左右するのは中小製造業の変革にかかっているかもしれない…
おしまい
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