『GO! DX プロジェクト』 STEP4 実現方法の検討(2)
今回も「GO! DX プロジェクト」として、DXプロジェクトの推進について書いていこうと思います。基本的には毎週金曜日の配信を予定してます。
さて、今回も前回に続き「STEP 4 実現方法の検討(2)」です。
以前の記事は、こちらのマガジンから参照いただけると嬉しいです。
では、また「DXの実現ステップ」から始めます。
STEP4「実現方法の検討(2)」第2弾としてです。
「技術的な実現方法の検討」(1)と「プロセス的な実現方法の検討」(2)の2つに分けて考えていきたいとしました。
前回は、STEP4「実現方法の検討」で「技術的な実現方法の検討」(1)について取り上げました。
では、その実現方法のプロセスはどのように実施していくかということで、今回は「プロセス的な実現方法の検討」(2)について検討してみましょう。
DXの基本に立ち戻って、DXを進めていく上で忘れてはいけないことは、「DXはあくまでも手段であり企業変革が目的」だということです。
企業を変革するということは、既存の事業をいきなり全社的に変えるというのは、もの凄くリスキーですし抵抗勢力や反対勢力も多くなります。
では、どのように実施していくか?
一般的に考慮される実現方法が特区や出島といった実現方法です。
特区や出島は、通常は既存の事業とは切り分けられることで実施されます。長崎の出島のようにです。
既存の事業は、短期的に収益を上げる事を目的にしています。そこをいきなり「変革します。」と言っても無理な話しです。実際にやったとしても一か八かです。
もしくは、既存事業のデジタル化は改善にとどまり、全社規模の改革にはほど遠いものとなります。
既存事業は短期的な収益を上げる事が目的であるので大きな予算を取れません。1年単位での収益化が求められるからです。
また、既存事業で認識している課題は既に課題認識できているものであり解決可能なものであることが多いです。認識できているのであれば課題解決方法を考えて実現すれば良いだけです。
そして、この既存事業から切り離した出島や特区を雪だるまを作るように小さく転がしながら徐々に大きくしていきます。
そうすることで、企業全体に変革の意識づけをし、企業変革の文化を醸成していけるのです。
その為、成果が出るのにはある程度の期間が必要になります。なので、既存事業から分離し、特別な評価や予算や組織が必要になるのです。
そして、このひと転がし目が特に重要です。
さて、ここで有効なアプローチがゾーンマネジメントです。(出ました!)
こちらも参考にしてください。
DXプロジェクトにおけるゾーン・マネジメントについて考えていきます。ゾーンマネジメントは本当にDXと相性が良いです。
以下にゾーンマネジメントの概要を示します。
これを、特区モデルと合わせると、次のようになります。
右側が既存事業であり、左側がDXで実現する出島・特区です。
既存事業で課題や問題を観察します。
前述した認識できている課題以外のモノや課題の背景にあり顕在化されていないものを検討します。また、未来の環境から逆算する事も重要です。DXの出島で効果が出始めるのが2年先、3年先ということもあるからです。
こちらも参考にしてみてください。
このような観点より、出島を抽出します。
では、どのように進めていくかです。
出島・特区モデルを抽出したら、それを実行するメンバーを集めます。ここで注意しなければいけないのは、既存事業との兼務です。片手間でできないということはもちろんですが、既存と兼務していると既存事業に絶対に引きずられます。大きな変革は成し遂げられません。なので兼務は避けなければいけません。
次に改革の火種をインキュベーションゾーンで育てて、トランスフォーメーションゾーンに移行させ拡大します。
新規事業であれば事業全体の10%以上の収益化が見込める等のKPIが良いでしょう。
全社的に効果が出そう変革であれば、順次効果検証をしながら既存事業に拡大していくという方法が良いでしょう。
また、既存のプラットフォーム自体を変革する場合は、出島・特区で構築したモデルに徐々に既存事業をオペレーションも含め、移行をしていくというステップを踏むことをすすめます。
あとは、このPhase1〜3を繰り返し、変革の意識を醸成していきます。
という、こんな感じです。
まとめると
重要なのは、出島や特区として分断すること、出島特区の専門チームを作ること
成果が出るには2、3年かかること
(ここで、パフォーマンスゾーンが危機に晒されている場合そちら側を立て直すことが最重要です。)
ゾーンマネジメントを活用して、企業の限られた資産を状況に合わせて分配すること
そして、出島特区の成果を既存事業に還元していく方法を検討しておくことです。
さて、今回は2回に渡り、実現方法の検討を考えてみました。
次回は、STEP5「実施」です。
ではまた来週〜
つづく
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