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「道は阿波より始まる」とは

 新しい年明け早々、海外在住の方から活動拠点の移転に関する相談を頂きました。以前から在留邦人のみならず、意外な方から口コミでしょうか相談が舞い込みます。

 その都度、翻訳をお願いしてるのですが、その文脈から、海外の方々は精神的なよりどころを求める事に強い関心をお持ちの方が多いようです。単に東洋的なものを求めているのではなく、精神性を追求するご様子が良く伝わってまいります。

 ようやく小正月も済み、節分を迎えて立春となりました。

 いわゆる今年の始まりです。明け方、東の空が白む時間が早くなってまいりました。冬至までに、来る年の運気に沿ったイメージを作ることをお勧めしましたが、その実現に踏み出すときです。

 世の中、多少の障害はつきものです。折れずに頑張っていただきたいと思います。

 さて、「道は阿波より始まる」阿波風土記伝承と磯上乃古事記、郷土史の研究を上梓された書籍に目を通し始めました。

 十数年前に、知人である徳島の神社の宮司さんから頂いて拝見した時よりだいぶ印象、受け取り方が違いました。もとより史学は素人です。それを良い事に、勝手な解釈を、他の郷土史を研究されてる方々の知識にお助けいただいて、楽しんでみようと思っております。知識をお借りした方々にはご容赦をお願いします。

 「道は阿波より始まる」については、ネット上で検索できます。あらすじはもとより、地元徳島の研究者の考え、古代史研究の方々の意見を知ることが出来ますのでぜひご覧ください。

 「道は阿波より始まる」は、古事記について書かれています。

 しかも、古事記と言わずに磯上乃古事記(いそがみのふることふみ)といっています。「磯上」とは古事記の「古」にかかる枕詞だそうです。

 天長2年(825年)に空海が「磯輪上乃秀真国之阿波国也」(しわがみのほつまのくにこれあわくになり)と断定したとあります。これはそのようです。

 ちなみに、「磯上」は石上とも書きます。また、秀真国とは立派な国というような意味です。

 この書の内容は、NPO阿波国古代研究所理事長の笹田さんの説をお借りすると、日本書紀や古事記の神話に登場する主な神々は徳島県内の神社に祭祀されている。さらに、魏志倭人伝の邪馬台国も阿波にあったと仰っている事です。

 ただし、お読みになるときは、著者が徳島県民、郷土の人々に語りかけて書かれているので、その点を理解されて読まなければなりません。

 我々は、徳島の方から郷土史をお借りしている精神が必要です。

 また、地理が分からないと把握が難しいところがあります。しかし、神々がいろいろな神社名で登場しますので、神社神明にご興味のある方には興味深いものとなりましょう。

 ただ、現在の観光地の壮麗な神社しかご存じない方には、物足りなさや興味をそそるものではないかもしれません。でも、阿波神代文字が付記されています。祝詞の分かる方は必見です。

 さらに、この著書を通して各地の郷土史に思いを馳せると、それぞれの熱き思いを思い起こさせてくれます。皆さんが個々に郷土史のパズルを組み合わせると歴史のロマンの独自の絵が描けるかもしれません。

 私は、美乃下鴨社の旧記録を改め、祭式を京都下鴨社式に改めさせられたと三野町史に記されているというくだりと、あとがきの「阿波で千年、京で千年」に惹かれました。何かに繋がるかも知れたいと思ったからです。

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