「羽化」歌詞解説
1.はじめに
2nd Single、そしてアルバム内ではリアレンジ.verが収録されています。
実はここだけの話、元々は1st Singleとして出す予定だったんです。
歌詞も新たな世界へ踏み込む、まさに「はじまり」を意識した内容ですからね。
一度記事にはしていますが、「己の過去の絶望や心の傷さえも自らの一部として受け入れ、未来へ歩み始める」前向きな内容となっています。
続いて、タイトルの由来。
※以降、下記記事より引用。
僕が推していたバンドllll-Ligro-では、ファンのことを「虫けら」と呼んでいました。
勿論僕もその「虫けら」の1人だったわけでして。
それが大学4年生、所属していた軽音楽部の卒業ライブでオリジナル曲をステージに立って演奏しまして。
(しかも部活のライブにしては割とデカ目の箱)
今まで下から見上げてステージに立つ推し達を観ていたのが、ついに同じようにステージに立って、オリジナルの曲を演奏している。
つまり、地を這う「虫けら」だったのが、見上げる対象であった空を舞う蝶(ここではllll-Ligro-のこと)と同じ場所にいるわけで。
完全に蝶になったわけではないのだろうけど、少しは近づけた。
そんな「虫けら」から蛹を経て蝶になる過程である「羽化」という言葉・意味を、先述の軽音楽部の卒業ライブをする自分に重ね、バンド名にしたわけです。
さらにその際、まさにこの曲をメインにしようとしていたのと、歌詞の内容が卒業の時の心情に合ったので、バンド名と同じ「羽化」というタイトルを付けました。
<補足>
実は「孵化」と「羽化」で迷っていたんですけど、蝶になる幼虫は蛹になり、「羽化」の現象を通って成長する「完全変態」という種類(?)なんです。
先述の「虫けら」から蝶になるなら「羽化」は外せず。
それに加えて、大学を卒業すれば社会人。
これまでの学生生活とは大きく生活環境が異なるわけです。
幼虫から蝶になり、生きる環境が大きく変わる成長を僕の環境の変化と重ねた結果、「羽化」を選びました。
2.歌詞解説
ここでいう「終わり」とは、学生生活の終わりですね。
そして社会に羽ばたいていくわけですが、そこでの生き方に対して迷いを抱いているというのがこのシーンの主な内容。
夜景を見ながらただ1人、頭の中で自問自答を繰り返すイメージ。
ここではっきりしているのは、何かを世に残したいという「大義」があるということくらいでしょうか。
「数ある人間の1人」ではなく、「ただ1人」になりたかったのだと思います。
ここで見つけた答えというのがまさに音楽の道、「アーティストとしての人生」でした。
普段からアーティストの作る音楽に触れていましたから、まさに目の前にあったんですよね。
「式」という表現ですが、意味合いとしては「設問」の方が近いかも。
自分の生き方に対する問い。
その解が先述の「アーティストとしての人生」であることを導きだし、どう生きていくかを示したということです。
このパートは僕のアーティストとしてのコンセプト「絶望で華を咲かせる」を表現したものになります。
「感情に名前を付ける→曲にする」
っていうことです。ざっくりいうと。
また、その「感情」というのも大体は暗いものになります。
大げさな言い方をすると、それが「絶望」なわけです。
心理学において「昇華」という、満たされない欲求を世に受け入れられる形にする防衛機制(身を守るための心理的反応のようなものと捉えるとわかりやすい)があります。
これまでの人生で感じた絶望を、音楽という1つのエンターテイメントに落とし込み、リスナーがなんらかの形で価値を抱くことで初めて完全な形で「昇華」されるということです。
この一連の流れがまさに「絶望で華を咲かせる」ことなわけです。
まあ「昇華」とコンセプトの「華」がうまく被っているのは偶然なんですが。
ここでは自分なりの生き方を見つけ、また、自分が自分であることを受け入れる場面になります。
自己肯定感パネエ。
「物語の幕は今 開かれたばかりだ」
僕の大好きなヴィジュアル系バンド「llll-Ligro-」の曲のオマージュで取り入れたワンフレーズです。
原曲では「幕は開かれた」というフレーズが使われていますが。
自分の傷を受け入れ、武器とし、かつ希望を未来に抱いて歩みを進める。
「誠影」という1アーティストが作る物語がついに幕を開けます。
3.おわりに
(SE除く)2曲目「羽化」の歌詞解説でした。
次回は公開されている曲の中で最も暗い「Dead end」の歌詞解説になります。
よろしくお願いいたします。
それでは、今回は以上!!
あざした!!
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