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第557回【筋トレ日誌 その他日々是】548(2022/11/25)▲▲極限の人を知る▲▲

登山界のレジェンド・山野井泰史の

ドキュメンタリー映画、

『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』

劇場公開された。


出演は言うまでもなく山野井泰史、

監督は元TBSテレビ報道局社会部長、

現在は富山の民放局・チューリップテレビで

報道制作局専任局長の武石浩明氏である。


この度富山に武石監督がいらっしゃる縁もあり、

こちらの映画を紹介頂いた。


私が山野井泰史のことを知ったのは

沢木耕太郎氏のノンフィクション作品にして

講談社ノンフィクション賞を受賞した

『凍』を読んだことがきっかけである。


本書では

山野井泰史と妻・山野井妙子が

ヒマラヤの難峰・ギャチュンカン登頂の記録が

メインとして扱われている。


いつ死んでもおかしくはない極限の状況、

凍傷で指を10本失ってもなお

山に登ろうとする理由に

震える思いがしたものである。


私はもちろん挑戦したことはないが、

アルパインクライミングと呼ばれる登山の分野は

最も死亡率が高いという。


そんな死と隣り合わせの分野に

40年近く挑み続ける事もさることながら、

単独で無酸素、未踏ルートを目指す

山野井のスタイルはその世界でも無謀と言われるし

私の想像が追いつかない世界である。


ちょうど2年前

山野井の『垂直の記憶』を読んだ際に、

こんなことを書き記している。


(以下、過去ログより引用)

山野井泰史の死生観・結婚観が、

当初イメージした山野井像と

大きく異なる点が印象深く、

また震える箇所でもあるわけだが。


山野井泰史の奥さん、

妙子も著名なクライマーであるが、

お互いが命懸け、

でもお互いを守ってやろうという心持ちでは

共倒れを起こす。


(中略)


『僕には若い時から蓄積してきた

知識と経験があり、

何よりもやる気があるのです。

あの大岩壁のことを頭の中で

思い巡らす時、

僕の胸はさわやかな鼓動を打つのです。』

(『垂直の記憶』あとがきより)


生死を掛けるクライムをしている山野井に

こんなことをサラッと言わしめるものは

なんなのだろうか、と。

(以上引用)


改めて分かったが、

山野井は常軌を逸した変態である。

もちろん良い意味で。


今までは沢木耕太郎の

ノンフィクションの世界でしか知らなかった

山野井泰史がいかなる人なのか、

武石監督の公開作品でなぞってみたい。


映画は11月25日より上映、

ナレーションはあの岡田准一である。


私は12月3日の

武石監督の舞台挨拶の会にて

映画館へ足を運ぶ予定である。

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