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私が何故官能小説を書き始めたのか

私が官能小説(と自分で呼んでいいものなのかは分からないけれど……)を書こうと思ったのは「何とかして収入源を得ねばならない」という逼迫した理由でしかありませんでした。

もっとこう、「自分の感性を試したい」とか「表現の幅を拡げたいから」みたいな大義名分があれば良かったのかもしれませんが。……とはいえ、そういう理由もないわけではありませんが優先順位は低かったのです。

書いたことがあるものといえば、ブログで日記を書くこと。取り留めのない日常をただダラダラと書いて友人の日記を読んでまわって、という日々でした。私は幼い頃、読書感想文を書くのが凄く苦手だった記憶が鮮明にあり、専門学校の卒論も非常に苦労した経験があったので、自分は文章を書く才能なんて持っているはずがないと決め込んでいました。……いえ、今もそんな才能はないと思っています。

就職氷河期の真っ只中、到底なんの取り柄もない私が就けるのは事務職くらいなもので、事務職を否定するつもりはありませんが、当時の私にとってはやりがいのある仕事だとは思えなかったのです。そしてそれ以前に私は朝早く起きることが出来ませんでした。家から徒歩10分ほどの小・中学校にもいつも遅刻ギリギリ。高校にいたっては満員電車に乗れず、気分が悪くなって家へ引き返すか、保健室で休んでから授業に出るような生徒でした。

そんな生徒が卒業して就職したからといって、すぐに朝型に戻れるわけもなく。当時の私には就職してもすぐに辞めてしまうのではないかと不安で企業にエントリーすることも出来ませんでした。

なんの取り柄もない癖に、いっちょ前に"やりがい"だけを求めてフリーターになり、主に接客業に携わっていました。けれども、嫌がらせやセクハラ、ブラック労働、私怨による不当解雇などなど……ニュースでやっているようなのと似たような経験を繰り返し、何度も社会からドロップアウトをします。

元々両親との折り合いも悪く、家族と同居するストレスがさらに社会に出て悪循環を生み出してしまい、高校を卒業してから鬱だと診断されますが両親がそういうのに理解があるわけもなく、当然仕事をしたからといってその精神が紛れるわけもなく、実家を出ていこうとしては経済的に自立出来ず、引き戻されを繰り返せねばなりませんでした。

今は「毒親」なんていう言葉もありますが、当時はなかったですしね。両親のやってきたことが"躾という名の精神的虐待"だったなんて、数年前まで分かりませんでしたし本人達も未だにその自覚はないと思います。

話が逸れてしまったので戻します……。

そんなこんなで一般的にどこかに雇われる・契約をするという形態が私には合わず長い間試行錯誤した結果、"同人活動をすること"に落ち着きました。もちろん小説を書くだけではやっていけませんので他に仕事もしていますが。

最初は一般的なノンアダルト小説を書いてはみたものの、ほとんど読んでもらえず。というより十万文字を超えるような長編小説を書くには技量が足りなかったのです。長編だけが全てではないけれど、プロットを考えるということ自体慣れていない。

そもそも小説自体は数えるほどしか読んでおらず、私が今まで読んでいたのは伝記やノンフィクション・エッセイがほとんどで。後は漫画とか。官能小説は「中年の男性が密かに読んでいるもの」というイメージが先行していたため、手に取ることもありませんでした。

けれど今は官能小説といえば、女性向け中心に書かれることも多くなってきました。同人作品を調べて回り、私自身がイメージしているものとは違う表現方法で販売されている作品もあったりして、
「もしかしたら私も同人作家からなら始められるかも」
ということで、色恋の経験も一応ありますし、理想の恋愛なんか妄想することもあるし、表現方法を拡げるという大義名分も兼ねて(苦笑)官能小説を書くことになりました。

ですから当然、官能小説は自分が書き始めてから勉強という名目で読むようになりました。今のところ女流作家さんの作品から読み始めていますが、面白いですね。自分の表現がいかに稚拙かというのが、身に染みて分かります。

ただR18コンテンツに携わってから感じたことは、官能小説は読んではもらえるけれども、発表する場所は少ないなぁと感じます。「アダルト全般アウト」にして締め出してしまった方が面倒がなくていいというサイトやSNSは多いですよね("大人の事情"があることは理解しています)。
官能小説(R18コンテンツ)が"確実に"書ける小説投稿サイトはアルファポリスと小説家になろうだけだったと記憶しています。

「表現の自由が云々~」
と謳っておきながら、R18コンテンツのガイドラインすら提示せず、著者自身が記事設定出来るわけでもなく、個人の問い合わせも一切応じず、運営の都合でBANされるかもしれないというリスクを抱えなければならないプラットフォームで官能小説家が生き延びていけるはずがないですよね。
(有料記事にすればいいのかな?……でもしたくない場合はどうすれば?)

だから同人活動に皆走るんだなぁと痛感しました。そういう場所が全くないよりマシなのかもしれないですが……。


そんなわけで、私はCi-enFantiaPIXIV FANBOXでの活動を中心としています。
短編小説も今月初めに発売しました。しばらく月イチで販売出来ればいいなと考えています。
そして長編小説作品を一つ「ジュリアンパブリッシング恋愛小説大賞」に応募しています。ムーンライトノベルズにて公開中です。

(リンク先は全てR18コンテンツなので18歳以上の方のみご覧下さいね)

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