宿命

張りつくような湿り気。

独特の生暖かさ
嵐の前触れ

いのちを貰い受け
いのちを還す

宿命をもつものは

自然の理を断って生きられぬ

当たり前のその先に
忘却しつつある宝が眠る

思い出して　命の螺旋
忘れないで　命の声を

遥か遠くからなる祈りを思いやれば
独りではないと気が付ける
どうでもよいものなどないと気が付ける

ここに立ついのち

それはかつての祈り

いのちの螺旋が紡いだ遺産

張りつくような湿り気
嵐の前触れ

ここに立ついのち

私は荒ぶるものも美しきものも

分け隔て無くこの身通して浴びる