みんなに会えるって、とくべつ。2/3『笑わない日々』

 私の家は祖父母、母、私の3世代同居だ。昔はそれはもう賑やかな毎日だったけれど、10年も経てば家の中はすっかり静かになってしまっている。そこに従姉妹の娘ちゃんの誕生だった。私の祖父母にしてみれば待望の「ひ孫」である。従姉妹夫婦が連れてきた時にはもう目尻が床につきそうな顔で、これ以上ないくらい幸せそうだった。クリスマスやお正月、初節句の時だって、幸せの空気が溢れていた。

 そんな日々が、コロナ禍になってぷつりと途切れてしまった。高齢者と乳幼児の組み合わせなんて特に避けなければならなくなり、そもそも家に家族以外の誰かが来ることさえパッタリ止んでしまった。デイサービスやデイケアがない日は編み物をしているか、テレビを見ているか、本を読むくらいになり、認知症対策に効果的らしい「笑う」こと自体が減ってしまった。

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