「ウインクで乾杯」を読んで

 東野圭吾さんの初期作品の密室トリックものである。「誰がやったか」、「どうやったか」を突き詰めていく王道なミステリー作品です。
 80年代後期ということもあり、携帯電話がない。家に帰ったら家電話の留守番電話を確認したり、上司に連絡を取るために家電話を借りたりと時代を感じる描写があるとともに、いかに携帯電話の便利さが現代の捜査に役立っているかというのも感じることが出来ました。
 コンパニオンと言う職種を今回初めて知ったのですが、世の中の職種は自分が思っている以上に広いようです。「フリー」でやっているコンパニオンもいるとのことでこの当時から正社員に縛られずに、そういった選択肢を持つことが出来ていたのにも驚いた。一回一回未知の職業に挑むことは、いろんな本を読んだり、取材をしたりするなどかなりの努力が必要でそれを一つの作品に作り上げたのはやはり並々ならぬ努力のたまものですね。

 今回、印象に残っているのはビートルズが出てきたことです。「ペーパーバック ライター」僕も学生のころよく聞いていました。この曲が今回の謎を解く手がかりになっています。こうやって、ストーリー付けされると、再度ペーパーバックライターを聞くたびにこの作品「ウインクで乾杯」を思い出すとなんだか嬉しくなる。ただの曲ではなくなるからだ。意味づけできるような作品が増えていくとより、人生は面白い気がする。そんな感じで、「ウインクで乾杯」面白かったです。

https://higashinokeigo.net/detail/007.html


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