『夜行観覧車』を読んで
こんばんは。今回は、湊かなえさんの「夜行観覧車」を読んだ感想です。久々にイヤミスを感じませんでした。それよりも社会に対してメッセージ性あふれる作品でした。
周りからの目線や、自分の立場に気にして身の丈以上に魅せようとしている人にはぜひ読んで欲しい作品です。
印象に残った言葉として、「たまには、インスタントラーメンくらい、作ればよかったのだ」という一文がありました。本当にその通りだなと、しみじみ感じました。どことなく頑張りすぎてしまう自分がいます。常に張りつめていては、いつか自分から身を滅ぼしてしまいます。目標を立てるときも、「一日くらいさぼってもいい」、「今日は未達の日だ」という考え方を持てている方が人生は楽しいと思います。そんな考えをこの一文で表しており、印象に残りました。
あとは、タイトルである「夜行観覧車」についてどうしてこのタイトルなのだろうとずっと考えながら読み進めていました。最後にちょろっとそれらしきセリフが入るのですが、自分なりの意味を持ちました。
寝静まって暗い夜、観覧車は同じ場所で回り続けている。朝がやってきて、一周回り終えると昨日見ていた景色とは少し違って見えるかもしれない。物語の登場人物たちは闇を抱えているが、普段取らない行動をすることでその闇が明けて変わったように見える。表現しにくいがそういったメッセージなのだと私は受け取りました。
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