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90dB

比較的大きな商業施設で働いている。
私が勤めるのはキッズ服売場や小さな遊び場のある階なので、子供の泣き叫ぶ声が毎日のように聞こえる。土日ともなればお客様との会話がかき消されるくらいけたたましい。

こんな声を聞き続けて何年も経つが、未だに慣れないでいる。その子供に嫌悪感を抱くことはないのだが、どうも自分が責められているような心地がして鼓動が早くなってしまう。1秒でも早く去ってくれまいか、と泣きたくなってくる。まさか耳栓をつけて接客するわけにもいかないし、どうしたものかといささか困っている。

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考えてみれば自分が子供の頃は、子供の泣き声をうるさいだなんて思わなかった。思わなかったしたぶん耳に入ってもいなかった。ほんの少しは大人になったということかしら。幼かった自分の声に辟易とした人もきっといたんだろうな。

微笑ましいじゃないかとはにかむ。あぁ泣いていると無感情に横目で見る。キンキン声のうるささに苛立つ。うちの子もああだったかと懐かしむ。

別の人だったらもしかしたらこんな考え方をするのかも…と最近は妄想するようにしている。案外こう思うとそこまで苦ではなくなってくる気がするのだ。

ごく最近、あなたは泣けて偉いよ、というポジティブな考えを発見できた。学生の身を越えて社会の中で生きるようになれば、「それは嫌」「やりたくない」なんてことは安易に言えなくなる(と思う)。そんなのお構いなしとばかりに要求を訴えるさまに、素直な尊敬の気持ちが涌いてくる。子供の泣き声が苦手なことに変わりはないのだけど、こうやって躱す方法を探していくのも、ひとつ大人になるということかもしれない。

街を歩けば、どこかで子供の大声に出会うことがあるかと思います。みなさんはどんなことを思いますか?コメントにて教えていただけると大変うれしいです😁


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