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新婚旅行1日目(2) スウェーデンに上陸

コペンハーゲンからスウェーデンのストックホルムまでのフライトは僅か1時間強。ほぼ国内線感覚だ。到着してからは特に検査されなかった。シェンゲン協定という協定のおかげである。

そして、ついにスウェーデン入国。最初にしようとしたことは酒を買うことだった。この国は酒税が高いためで、免税店で購入を試みる。でも断念した。いろいろ条件を説明されたのだが理解できなかったのだ…。無念。

気を取り直して宿泊する宿まで移動することにした。到着したストックホルムのアーランダ空港は、日本でいうと成田空港のように郊外に位置している。鉄道やバスでストックホルムまで移動することになる。

事前に調べておいたアーランダ・エクスプレスという特急に乗るべく切符を購入した。切符は至るところにある自動券売機で買える。車掌さんが切符をチェックするシステムなので駅に改札は無く、静まり帰っている。

駅のホームまで来て初めて寒さを感じた。それまでは空調が効いて暖かかったのだ。二人してスーツケースにしまっていたダウンを取り出して着込んだ。日本の4月中旬とは気温が全く違う。

ストックホルムに向かう特急は快適だった。車内の電光掲示板には速度が表示されるのだが、約200km/時を常に保っている。それでもガタゴト揺れることなく走る。内装は木を基調としていて暖かみを感じた。

車窓の風景を楽しんでいると、車掌がやってきた。駅に改札は無く、車内で切符をチェックするシステムであるためだ。さも、いつも乗っている風で2人分の切符を差し出すと、車掌はこう言った。

「これはバスの切符ですよ。」

鉄道だと思い買っていた切符は、バスのものだった。新婚旅行でまさかの無賃乗車…。そういえば、切符の値段が妙に安いと思っていた。そういうことだったのか…。

私は咄嗟にクレジットカードを差し出し、「これで支払います!」と車掌に伝えた。拙い英語力ではこうするしか他に無かったのだ。焦る私たちを前に、私のクレジットカードを受け取った車掌は、手に持った読み取り用の機械をカードでコツコツと叩きこう言った。
「この機械、壊れてるみたいですね。」
そして私にカードを返し、去っていった。

……なんという粋な計らい!

かくしてスウェーデン入国直後に赤っ恥をかきつつ、電車はストックホルムに到着した。到着した駅はストックホルム中央駅というターミナル駅だ。

駅を出て、ついにヨーロッパに来たという実感が湧いてきた。

泊まるホテルは駅直近だったが、なかなか辿り着けず右往左往してしまった。駅の出口が違っていたのに気付いた時は、既にホテルの目の前だった。私たちが出たところとは別の出口の眼前に、ホテルはあったのだ。

ホテルの部屋からは、ストックホルムの街が一望できた。この旅は、ほぼ私がツアコン係だ。部屋からの景色を妻が喜んでくれたのが嬉しかった。

日も暮れる時間になり、お腹が空いてきた。この日は近くのスーパーで夕飯になりそうなものを買ってくることにした。恥ずかしながら、長旅の疲れもあってかレストランで英語を使ってあれこれやり取りする気力が尽きていたのだ。スーパーでも無人のレジで会計を済ませ、ホテルの部屋で食事をとった。アルコール度数の低いライトビールでも酔いが回り、この日は早々に寝床についたのだった。

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駄文ですが何卒よろしくお願いします