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【牧師エッセイ】MOTHERシリーズが語る愛と祈り


日本を代表するコピーライターの糸井重里氏がシナリオを担当したゲームに『MOTHER』というゲームのシリーズがあります。
最近ではswitchオンラインに配信され、多くの人にプレイされているようで、いちファンとしてもうれしい限りです。

あらすじとしては、子どもたちが主人公になって、各地に散らばるメロディを集め、ひそかに人々を狂わせて暴力的にしていく宇宙人から世界を守ろう、という話です。
特徴的なのは、ラスボスを倒すために集めたメロディは、ラスボスにとって母の子守歌であったという点です。

また、その続編の『MOTHER2』でも、再びその黒幕が立ちはだかるのですが、黒幕は悲しみと憎悪のあまりに自分自身さえ壊してしまい「悪そのもの」になってしまっています。
もはや母の子守歌も心に届かなくなってしまった黒幕を倒すための唯一の手段として残されているのは「いのり」であるのです。
主人公たちは黒幕の手痛い攻撃の中で耐え、それに反撃することなく、ただ祈り続けることによって、これまでの出会ってきた人々や、冒険に送り出してくれた家族の祈りに支えられ、黒幕を倒すのではなく正気に戻すというシナリオになっています。

このように、『MOTHER』シリーズには、愛の欠如や悲しみ、妬みの思いが人々を狂わせる原因であるのだというテーマがあります。
そして、それを打ち破っていくのは、愛と祈りなのです。

キリストが無実の罪で十字架にかけられようとしている最中でさえ、キリストは人々の赦しを神様に祈りました。
私たちが誰かを傷つけ、あるいは傷つけられて、心が罪の暗闇の中に沈んでいる時、それを救うのは愛と祈りであることを、十字架のキリストは教えてくださいました。
わたしたちの人と人との関わりにおいても、この愛に満ちた祈りあいにこそ支えられる、そのような一人ひとりでありたいと思います。

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