凡人水族園~筆記帳~第十五回
コロナ禍になって随分と時間が流れた。今年は時間の感覚というものがまるでない。失ったものがたくさんある中でこれといって何をしたわけでもないのに悪い意味でのワガママバディを手に入れてしまった。しばらく鏡を見ながら「止まって見るから気になるだけで残像より俊敏に目にも止まらぬ速さで動くことで太っていることに気づかれないのでは…」などと不毛な思案をしていた。
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