うるるがPublic Relationsにチカラを入れる理由
うるる取締役の小林と申します。コーポレートブログは沢山書いていますが、テイストを少し変え、noteにもチャレンジしてみることに致しました。
お初のnoteは「うるるがPublic Relationsにチカラを入れる理由」というタイトルで書いてみました。
※このnoteではあえて「PR」という略語や「広報」という日本語を使わず、本質が伝わる「Public Relations」という言葉を使います。
さて、遡ること5年前。当社にはPublic Relationsの「パ」の字もありませんでした。当時はいわゆるP/L脳で動くことが多く、資産としてのB/S脳的な考えが本質のPublic Relationsにチカラを入れることはありませんでした。
しかし、2017年3月の東証マザーズ上場あたりを堺に、当社ではPublic Relationsにチカラを入れはじめました。Public Relationsにチカラを入れはじめてから、様々なことがメキメキと良い方向に進み出しました。
このnoteではその変遷と、僕の思う「Public Relationsの本質」をお伝えしたいと思います。
Public Relationsにチカラを入れるようになった理由
2015年頃、2つの出来事がありました。
1つ目は某事業で本格的なPublic Relationsを実施してその成果を体感したことです。
2つ目は大量採用をキッカケに企業カルチャーの大切さを痛感したことです。
まず1つ目の本格的なPublic Relationsを実施してみたことについて。
当時ローンチした「社会課題解決型」の事業を一気に加速させるために、見様見真似で、プレスリリースを配信したり、記者発表会を実施しました。記者クラブで記者さんに直接アプローチをしました。いわゆる「メディアリレーションズ」です。
結果的に初めて当社がメディアに注目され、多くのメディアへ露出しました。メディアを通じて社会に届いた情報は、多くの方の共感を呼び、一気に盛り上がるとことになりました。
この経験から、社会に求められている内容を発信することで多くの共感を得られることが分かりました。(この事業はビジネスモデルに起因する理由でうまくいかずその後閉鎖しました)
これが、事業のPublic Relationsにチカラを入れはじめるキッカケとなりました。
続いて、2つ目の企業カルチャーの大切さを痛感した件。
当時、一気に中途採用を加速させたのですが、その当時は人事含むバックオフィスへの投資はほぼ無く、事業サイドへの投資が集中し、当然のことながら採用も採用基準の軸を言語化すること無く、各事業責任者の"感覚"で採用を進めていました(かく言う僕も当時、その事業責任者の一人でした)。
結果的に当社のカルチャーと合わない方も採用をすることとなり、元々当社に居たメンバーと、新たに入ってきたメンバーとの間でハレーションが起こり、退職者も出てしまいました。
この事象を内省した際、「これからはどんなに優秀でも、当社のカルチャーに少しでも合わない人は採用しない」と決めました。
これを機に、自分たちのカルチャーを定義づけ、Public Relationsとしての「インナーブランディング(カルチャー醸成)」に徹底的にチカラを入れました。それから5年たった今、カルチャー醸成が進み、組織の状態は良く、これからもどんどん良い組織になっていくと感じています。
一見、別々の事象に見える2つの出来事ですが、共通することがあります。
それはPublic Relationsを粘り強く、正しく実施することが、事業の成長にも組織の成長にも直結するということです。
このような実体験を経て、当社ではPublic Relationsに徐々にチカラを入れることとなりました。
僕の思うPublic Relationsの本質
企業に於けるPublic Relationsについて、僕の解釈する定義は以下の通りです。
「企業ビジョンを成すことを目的に、すべてのステークホルダー(社員、顧客、株主、政府、業界団体 etc)と適切なコミュニケーションを取り、自分たちへの理解を深めてもらい、共感を得て、良好な関係性を構築すること」
ここでのポイントは、以下の通り。
・対象は「すべてのステークホルダー」であること。つまり、お金を払ってくれるクライアントだけが対象ではないということ。
・実施することは、一方的な情報発信ではなく、「コミュニケーション」であるということ。コミュニケーションは当然キャッチボールであり、双方向であるということ。
・自分たちの認知を上げるだけでなく、「良好な関係性」を構築すること。つまりこちらも相手をきちんと認知、理解しなければならないということ。
Public Relationsの定義の中にはよく「良好な関係性」という言葉が出てきますが、非常に抽象的であり、解釈が難しいなと感じています。この言葉をイメージするために、人と人にとっての「良好な関係性」に例えてみます。
Aさん「僕は●●を実現したいから××を頑張っているんだ」
Bさん「それにすごく共感できるから応援するよ」
Bさん「最近●●のような問題があって困っているよ」
Aさん「じゃあ僕が××のようなことをして君に協力するよ」
Aさんが実現したいことに対してBさんが応援してくれたり、Bさんが困っていることに対してAさんが協力したり。恐らくこのAさんとBさんの関係性は「良好」であると推測できます。
この関係性を企業とステークホルダーの間に構築すること、これがPublic Relationsだと考えています。
さて、このようなPublic Relationsを実施するために、まず最初に実施すること。それは「自分たちが何者か(何を実現したいのか)」を定義付ける必要があると思っています。己を知らずして、他者に己の理解を深めてもらえるわけはありません。
自分たちは何者か
「人のチカラで世界を便利に」というビジョンを実現する"者"です。
世の中には、子育て中のママや、親の介護で田舎に帰らないといけない方など、何かしらの事情で"外"に出て働けない方が多数います。
こういった方々が自宅でパソコンとインターネットを使って、在宅ワーカー(クラウドワーカー)として働くことができれば、仕事ができ、お金を稼ぐことができます。そして結果として何かしらの自己実現に繋がるかもしれません。
日本や社会からこの事象を見れば、新たな労働力が生まれることになるので、日本が抱える大きな問題である労働力不足を抑えるための一手となりえると思っています。
働く場所はどこでもよいので、地方で仕事ができます。これは地方創生に繋がるとも思っています。首都圏と地方の格差も埋まっていくかもしれません。
我々はこういった社会課題を解決する"者"でもあります。
また、我々は「うるるスピリット」という5つの行動指針=カルチャーを持つ"者"でもあります。
【うるるスピリット】
うそをつかない、悪いことをしない
会社はホーム、社員はファミリー
相手の期待を超える「おもてなし」
当事者意識を持って、納得して働く
ベンチャースピリットを持ち、成長し続ける
超・仲間主義で、超・チャレンジ主義です。
めちゃめちゃ良い仲間、素直で誠実な仲間、「いいヤツ」が沢山います。
他者と何が違うのか
余談から入りますが、「ブランド」という言葉について。
この言葉の語源は、家畜などの身体に押す「焼き印(burn)」であると言われています。焼き印は自分の家畜と他の人の家畜を「区別」するためのものです。つまりブランドとは区別することです。
うるると他者を区別するポイントは何か?
1.人のチカラで世の中を便利にし、社会課題を解決しようとしている点
2.超・仲間主義&超・チャレンジ主義な仲間がいる点
大きくこの2つだと思っています。
Public Relationsを始めるまでは、これらの「ブランド」を自分たち自身が認識できていませんでした。だから、まず自分たちが何者であるかを自分たちがきちんと理解するためにの活動を"しまくり"ました。
ひたすらこれにまつわるブログを書き、社員総会で何度も何度もビジョンや行動指針に関する話を代表にしてもらいました。
行動指針を体現できるイベントを開催し、採用活動もすべて行動指針軸に設計しなおし、更にそれらをまたブログにして発信する。これを数年続けました。
事業のPublic Relationsについても、ただ自分たちが発信したい情報をプレスリリースするのではなく、社会課題や社会の流れと自分たちがどう関連付いているのか、何が社会で起こっているから自分たちの事業が成長しているのかなど、泥臭く発信し続けました。
自己理解が進むことで、的確な情報を発信できるようになり、おかげで少しずつですが社外でのうるるへの理解も深まりました。
正しく発信を継続すると、そこに「共感」が生まれます。
つまり「ファン」が生まれます。
更に、一貫したメッセージを発信し続けることで、そのファンとのリレーションがどんどん深まります。
これこそまさにPublic Relationsの本質なのかなと感じています。
"本質"を突き詰める
Public Relationsは無料でメディアに掲載できることではありません。
Public Relationsは発信したい情報をむやみやたらに発信することではありません。
Public Relationsは言葉にすると「ピーアール」で「アピール」と似てますが、「アピール(appeal)」とはまったく異なります。IT業界の方にわかりやすく説明すると、「Java」と「JavaScript」くらい異なります。
Public Relationsの本質を突き詰めていくことで、事業が成長し、組織が成長します。
つまり、会社が強くなります。
Public Relationsは経営そのものだなとも感じています。
日本ではそもそもPublic Relationsへの正しい認知が低いですし、僕自身も当然まだまだですが、少しでも多くの会社がPublic Relationsを通じ成長していくことで、素晴らしい未来へ繋がることを切に願います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?