いつのまにか、店を引き継いで1年が経っていた
店を引き継いでから、いつのまにか1年と1ヶ月が経っていた。2018年の12月1日に「旧:喫茶エントワ」を夫婦で引き継いだ。タイミング的に年末年始に振り返ればいいものを、2Fの準備をしていてすっかり忘れていた。
正月気分はとうに抜けているはずなのに今更思い返している。
滑り出しは順調だった。
前の店長が退職するのは半年前からわかっていた。引き継ぐことに特に不安はなく、自分たちがやると決めていたし、どちらかというと不安よりも先に高揚感からはじまる楽観的なタイプだから早くやりたいとさえ思っていた。
引き継いでからも客足は遠のくばかりか、半年以上前からinstagramをはじめていた効果もあってか順調にすすんでいった。
2月にこれまた半年以上前から準備していた、ちょうど品のお店をオープンしてたくさんのお客さんに来ていただけるようになった。
プレッシャーに押しつぶされそうになる。
それでも怖さがあった。周り(もちろん妻にも)には見せないようにしていたけれど、数字をすごく意識していた。毎日毎日数字を追いかけて夢で出てくることもあった。
自分が引き継いでうまくいかなくなったと言われたくない。パッと出だったから素人半分に思われていただろう。周囲からも苦労するよと言われることもあり悔しかった。負けたくなかった。
1年経った今では、暇な日も「こんな日もあるさ」と思いながら、次の種を撒く。
そもそも忙しくなりそうとか、忙しくならないことを予想もたてれるようになった。(お客さんのスケジュール感がなんとなく掴めるようになりました。笑)
最初はそんなのわからず、日毎の数字を見ては一喜一憂していた。周りも気づくところがあったかも。
大学の時に1つ事業をミスったから、より経営の怖さもわかるようになって、何か恐ろしいものを背負っているように感じていた。
今までのお客さんが来なくなった。
前の店長の時と今のエントワは全然違う。小さいお店だから、良いところも悪いところも直に出る。僕たちの雰囲気というのがあるから、どうしても今までのお客さんが減っていった。
引き継ぐ前に、僕たちがやりたいお店を1からイメージしていたから、そうなることはわかっていた。なのにやっぱり残念な気持ちは拭えない。
前の雰囲気が私はよかったという人も少なからずいて、こんなとき、前なんてなければ良かったのにと思った。
だって僕たちがやりたいのは今のお店。それは変えようがなく、そういうお客さんには申し訳ないけれど、それは今はないお店だ。
新しいつながりが助けてくれた。
家族と数人のスタッフだけでやっていたから気を張っていた。経営者である僕が折れたら元も子もない。だからプレッシャーをはねのけるためにも自然と数字を追うようになったのだろう。別に悪いことじゃない。経営だ。
良くなかったのは、数字で助かろうとしていたことだ。そんな店をやりたいわけじゃない。
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いつのまにか助けられていた。
振り返るとあの時はこうだったなとか思い出す。でもそんなことを振り返る暇もなく動いてきた。
こうして思い返して見ると、人ばかり見るようになった気がする。ちょうど品を扱うようになったのもあって、新しい取引先がたくさんできた。自分たちのつながりでお店をやるようになった。
今、エントワに来てくれるお客さんは当初からの人もいるけれど、僕たちに変わってからの人もすごく多い。
いつのまにか僕たちのお店をいいなと思ってくれる人もできて、応援してもらえるようになっていた。まだ直接会ったことない人も、そもそも関わってもない人もたくさんいる。楽しみが止まらない。
まだまだ赤ん坊みたいなお店
僕たち自身も、お店もまだ1歳。また明日から営業だ。
経営1年目の振り返り。
人を大切に。精一杯やるべきことをやる。
本当に1年ありがとうございました。そして今年もよろしくお願いいたします。
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