はじめ
かつみ・さゆりという ベテラン芸人がおります 昔は男性二人組の スタンドマイク式漫才スタイルで 土曜の昼下がりに チキンラーメン食べながら 目にしてたひとが いつの間にか ギャルギャルしい女の子と 夫婦漫才?夫婦タレントとして 媒体に出てました。 まだ、宮川大助花子が バリバリ夫婦漫才してたし その上には 正司敏江玲児、 さらに上には 鳳啓介京唄子両氏が控えており また次の世代の夫婦タレントが 出てきたなあ… と認識しただけで チッチキチーのご夫妻のように お互いが
そしてその頃には おんちゃんの中で 私は 『笑いの女神(ミューズ)』と 化していたのだが、 等の本人、 どうやってキャッツアイとして 泥棒家業を成り立たしたらいいか 真剣に考えていて それどころではなかったため おんちゃんの私への恋心?は まったく届いていなかったのである。 アホの子の純度が高かった当時の私は あんまり周りも見えておらず したがって他人への興味も薄く 女子なのに一人で過ごすことも たまにあった。 たまたまなのか その学年には一人を好む子が 男女問わず割
毎年この時期になると書く日記 それは豆。 小さい頃 ばあちゃんが作る豆ご飯、 口のなかがモソモソして 厚目の皮が最後まで残って 実は嫌いだった 昆布の味と塩気で なんとかのりきってた記憶。 よその家で 缶詰めグリンピース飯を食べたとき 『え、なにこれめっちゃ食べやすい』 と絶賛し その人から これは手抜きのバッタもんで いかに我が家は手間を掛けてたかを 諭された記憶があるほど うすい豆は攻略難航野菜だった。 年を取ると味覚が鈍化し 口内触感も鋭敏さが減るので うまい
本格的な転職活動ひと月が過ぎた。 もう面接まで行けたところでも14社断られている、どうやら事務職は無理みたい。 かといって現場職は体力が続かず、体のどこかを壊し途中で辞めているのが続いたから、先方に迷惑をかけないよう事務職でないといけない。 寒村控えるこの新興住宅地では、そもそも仕事場がない。事務職に至っては少ない椅子の空きが出るのを地域の中年女性がこぞって待ち構えているのが現状。 この一年ずっと求人サイトとにらめっこしながら探してはエントリーしたけど、面接までたどり
私にはお付き合いして五年目の恋人がいる。 5年たって今、やっと彼の言葉に素直な反応を出すことができる。 彼との出会いは約四年と数ヵ月前、あるサイトだった。私は扇情的な煽り文句をちりばめた内容で、欲求不満の男性をうまく引っ掻けるための釣り針を垂らして待っていた。 その頃には新たな出会いのツールもどんどん世の中に出てきて、年の幼い人たちから一抜けしていったことで「二度と会えない出会い」が減っていたその場所で 二度目の出会いをした。
たった七日間の滞在で、私の日常に少しだけ空虚を作って去っていく。 味噌汁が二椀分鍋に残る、三人家族には少し足りない。いつもおかわりするからその分ちょうど残る、私一人が残り物の昼御飯にするのにも多い。 人間ひとり、その場に存在しないだけでどれだけその空間に音が、光が、熱が薄まってしまうんだろう。 まだ、二階からコントローラーの雑音が聞こえて、二人が存在する安心感が 私の心の中の暗く寂しく悲しい瓶の口へ王冠の蓋をしてくれている。でもこの王冠たちもまた、自分自身への未来へ