見出し画像

算数棒のプリント教材を作りました

みなさま、こんにちは〜
モンテッソーリの手作り教材のお店Seedling Montessori のかーなです。

今日は、算数教育で使う「算数棒」の補助教材を作ったので、ご紹介します。


モンテッソーリの算数教育とは



モンテッソーリの算数教育は、知的教育分野と呼ばれ「日常生活の練習」「感覚教育」を基礎としています。


沢山「日常生活の練習」「感覚教育」のお仕事を行うことで、子どもの中で自然と算数教育の準備が整っていきます。


算数教育の特徴


特徴としては、以下の10個があげられます。 

①「感覚教育」を基礎としている
②数え主義を排し、量から入っている。 
③ 数量と数詞と数字の三者関係の一致を重視している。 
④三者関係の一致にセガンの 3 段階の名称練習を用いている。 
⑤数字はアラビア数字を用いている。 
⑥0 の概念と十進法および演算を重視している。 
⑦合併、分割の基準数を 5 ではなく、10 にしている。 
⑧位取りを示したり、数量を素早く数えたりするために数字や物量に色を付けている。 
⑨誤りの訂正が、検算や正誤版という形で、新たな提示として出てくる場合がある。 
⑩操作は、基本を踏んでから「統合」へと展開していく。 


特に、
③ 数量と数詞と数字の三者関係の一致を重視している。

これを理解していると、子どもの理解度を判断するのにとても便利です。

三者とは
数量:量物とも言い、子どもが直接体験できるもの
数詞:数を言い表す言葉
数字:書き表す時に用いる記号としての数字

となります。

例えば、子どもが1~10まで数詞を言えたとしても、
それは、数詞が言えただけで、数字を理解したことにはならないというのが、この考え方です。

10というものに対して、
■量的に表せ、
■10(じゅう)と言えて、
■10と書き表すことができる。

この3つがそろって、初めて数量概念を身に着けたと考えるのです。


算数棒を使う3つのお仕事

算数棒には3つのお仕事があります。

①算数棒
②算数棒と数字カード
③算数棒による数の合成分解

どのお仕事も、算数教育の初期段階にでてくるお仕事です。


算数棒の補助教材を作るきっかけ


今回は、minneに以下のようなお問い合わせをいただいたことから、制作をスタートしました。

こんにちは。

ダウンロード教材含め、何度か利用させていております。
本日はダウンロード教材のオーダーのお願いをさせていただきたくご連絡いたしました。

色ビーズの計算の練習用紙のような教材を、算数棒で作成していただくことは可能でしょうか。

よろしくお願いいたします。

minneのメッセージより

算数棒の練習用紙。
どんな風に作ろう。

先ず、子どもの発達段階を考えてみました。

教具にもよりますが、
子どもが お仕事を何度も繰り返し、そのお仕事で理解することができる概念を習得できたら、今度は実物を使わず、補助教材を使って活動をするのも良い活動となります。

ここには、
実物→半抽象→抽象
のステップが含まれます。

例えば「算数棒」の教具で言うと、
①先ずは、本物の教具を使って体と手を動かします。
算数棒の長さは、実際の量を感じることができるので、
このステップが実物に触れる1番大切な経験となります。

②そして、実際の教具を使わなくても、プリント等の補助教材を使い、手を動かすお仕事が次の半抽象の段階です。

③そして、頭の中だけで算数棒をイメージし、実際の数を言えたり、計算ができるようになるのが、抽象の段階、そして、ここが算数棒のお仕事のゴールと言えます。

今回は②の、半抽象の段階のお仕事をする子ども達の発達段階を意識しながら補助教材を作って行きました。


算数棒と数字カードのワークシート

先ず最初に作ったのが、算数棒と数字カードのお仕事から、3種類作ってみました。


算数棒と数字カードのワークシート1

算数棒と数字カードのワークシート1


このワークシートは、同じフォーマットでできていますが、それぞれに使い方があります。


上:正誤板
真ん中:右の数字カードに数字が書いてある
下:右の数字カードに何も書いていない

1番上のは正誤板なので、印刷して、ラミネートして置いておくと良いです。

真ん中と下のプリントは、算数棒と同じように色を塗って、数えて、数字を書き込むという至ってシンプルなお仕事ですが、数と出会ったばかりの子どもにはとても良いお仕事になると思います。

数量と、数字を合わせて行きます。



算数棒と数字カードのワークシート2


このプリントも、ワークシート1と同じように、色を塗って、数を数えて、右端の四角の部分に数字を書いて行きます。
算数棒がランダムに並べてあるので、数字を順番にしか覚えていない子どもにとっては、ハードルが上がります。

数字を書くのが難しい子は、数字を切って、ノリで貼るのも良いですね。

全部で4種類(4ページ+切って貼る用の数字)用意してます。



算数棒と数字カードのワークシート3


ワークシート1.2は、答えが決まっているのに対し、ワークシート3は最初の時点で答えがないのがポイントです☆
これは、ワークシート1.2では飽き足らず、もっと活動したい子のために、1枚のシートから、何通りもの活動を準備出来る、先生が1番喜ぶ(のではないかなと思う)ワークシートです。

先生が数字を書いて、子どもが色を塗っても良いし、
子ども自身が数字を決めて、自分で塗ってもいいし、
数字カードをペタペタ貼って、色を塗ってもいいし、
満足するまでお仕事してもらえるワークシートです。



今回の教材のこだわりポイント

算数棒のサイズは、実際の算数棒の縮尺を変えないようにしました。
1の棒が、5mm×20mmなので、
1/5のサイズになってます。

数字を書く場所は、
最初は左端に綺麗に並べて作りました。
でも、実際のお仕事では、カードを算数棒の右に並べるので、
全て右端に並べなおしました。

③のシートは、現場で何度も繰り返し使えるものを想定して作りました。
子ども達が満足するまで、繰り返し使ってもらえたら嬉しいです。


ワークシートの購入方法


ワークシートに興味を持っていただいた方は、
ダウンロードデータを購入いただける、こちらへどうぞ。

ワークシート1.2.3合わせて、全部で8枚です。


算数棒による数の合成分解のプリントも作ったので、
それは次回ご紹介させていただきます。



皆様が子どもの幸せそうな顔をする瞬間に出会えますように。

子どもたちの成長に貢献できますように。


かーなでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?