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Task-based Language Teaching 2

「オンラインの今こそ、Task-based language teaching (TBLT)をおススメします」という記事を以前こちらでご紹介しました。

https://note.com/seed_2020/n/nae0bc22e4abe

今回は、その第2弾です。

他にはどんなTBLTの活動があるんだろうか、
と思われている先生方のために具体的な活動の例をご紹介します。

Intermediate level(CEFR A2−B1)向けの4技能統合型の活動です❣️


【Listening-Speaking-Writing-Reading統合授業例・SEED流】

1. まずは動画を生徒たちには視聴させます。今回はタイムリーな「手洗いのおススメの動画」です😊。

https://youtu.be/-LKVUarhtvE

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2. 生徒たちには、次の質問を考えて視聴するように、と指示をします。

①What do we have to do to kill the Coronavirus?

②What kind of soap do we have to use?

③What song do you want to sing while you are washing your hands?


3. 視聴し終わった生徒たちには、先生に、以下の番号で理解度を報告させます。(これは単に生徒が申告する理解度を見て、動画が生徒たちに適切かを把握するためです。次にはどんな動画を選ぼうかな〜という時に、参考になります。)

   理解度 1... 90%
       2...80% 
       3...70%
       4...60%
       5...50% 


4. 単語リストを送り、単語の意味の確認をさせます。一定期間後に送るといいでしょう。また、いくつわからない単語があったかを、報告させてみても興味深い結果が得られるでしょう。

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(↑これは一例です。生徒さんのレベルに合わせて、こんなリストを作られるといいでしょう。)先生方も、このリストを見ると、あまり見慣れない単語があっても、気が付かないで内容を理解していたと思われるかもしれません😅。


*今回の内容では、多少の聞き慣れない単語があっても、かなり理解できるはずです。

生徒によっては、英語に対する自信の無さから、低く報告をする生徒と、
その逆で、自信を持って高く報告をする生徒がいるように思われます。

どちらにしても、Well done!と褒めるようにしましょう。

*ご参考までに…
実際に…生徒に実施してみたところ、「90%理解できた」と回答した生徒の知らなかった単語の数が、「80%理解できた」と答えた生徒と同じ程度だったり。

80%の理解度と答えた生徒のわからなかった単語数が70%の理解度の生徒と同じ程度だったりしました。

英語に自信がない子ほど、また文法や語彙にこだわりすぎる子ほど、理解していても理解度を低く報告する傾向にあると考えられます

どちらにしても、理解を映像や予備知識から得た後に、必ず語彙の確認をさせましょう。


5. その後の活動は、Zoomによる、Breakout Roomで行いましょう😊💕。

オンラインの活動の前には、これから行うオンラインでのタスクの提示を最初にしましょう。そうすると、多分生徒はもう一回視聴したい、と言うでしょう😅。

その時には、「じゃ、活動の前にもう一回観ましょう〜」とみんなで動画を観るのもいいでしょう。その際には、「メモ取っていいですよ〜」と指示をすると、一層注意深く生徒たちは視聴すると思います。

(1)Activity 1: Group work/Pair work (オンライン・タスクです。)

1)Draw some pictures of the Coronavirus and soap.

手持ちの紙とペンに大きくコロナウイルスと石鹸の絵を描かせます。
色を使って、大きく見やすく描くように指示をしましょう。

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Zoomのホワイトボードの機能を使っても面白いと思います。

2) Showing the pictures to your friends on the screen, explain how the soap can kill the virus.

生徒たちに、その絵を見せながら、どう石鹸がウイルスをやっつけるのに働くのか、説明をさせましょう。生徒には、「単語リスト」を見て、その中の語句を使いながら、この活動をするようにと指示しましょう。

“Do you know how soap can kill the Coronavirus? I am going to explain how...Take a look at this picture...” といった、はじめに言う言葉も、必要ならば提示しましょう。慣れない生徒たちは、そういう言葉があると、話し始めやすいと思います😊。


(2) Activity 2 : Discussion (オンライン・タスクです。)
Topic:  What else do you do to prevent the Coronavirus?

Breakout RoomでのDiscussionになります。あまり長く取らず、4人グループで5分程度が適切だと思います。

ここでは、簡単なトピックでのDiscussionにしました。なぜなら、Activity 1 で、新しい単語を使っての活動を生徒たちは頑張ったからです。欲張らずに適度に「やさし目のトピック」がいいかなと思いました😊。

また、グループを組み直して、話した内容を報告させたり、全体に戻ってから、各グループの報告をさせてもいいでしょう。


(3) Activity 3 :Writing task (個人で行うタスクです。)

One of your friends always says that hand sanitizer will be better than anything else to prevent the Coronavirus. Write an email to the friend to explain your opinion.

あなたの友達は「ハンド・サニタイザーが一番だよ」と言います。さあ、あなたはその友人に、どのようにメールで自分の意見を伝えますか?というライティング課題です。これは、後から提出させる実質的なGoalとなるTaskです。

*オンラインの時に時間があれば、どういうことを書くべきか(例えば、サニタイザーは手が汚かったり、汗をかいていたら、効果が低くなりますよ…とか。)を、仲間と相談させておくと、1人でタスクに取り組む時には、考えやすいかもしれません。

*「自分で何度も視聴してから書いていいよ。」「動画の中の言葉を真似して使ってもいいからね」と言っておくと、生徒は取り組みやすいかもしれません。

*もっと課題をやりやすくするならば、メールの途中までを書いておいて、空欄を作り、そこを英語の文章で埋めるような活動に変えてもいいでしょう。


(4) Activity 4  :Further reading (応用タスクです。)

応用タスクとしては、生徒たちが興味を持つようなAuthenticな、Further readingの読み物を与えてみるのもいいでしょう。ここでは、ガーディアンの記事をご紹介します😊。

↓こんな英字新聞の記事にチャレンジしてみては、どうでしょうか。基礎的な知識があってから読むと、ちょっと読めて嬉しいかもしれません😊。

https://www.theguardian.com/commentisfree/2020/mar/12/science-soap-kills-coronavirus-alcohol-based-disinfectants

(注意)全部読めなくてもOK。チャレンジするだけでも素晴らしいよ〜✨、どんなことがわかったの?教えて欲しいな!と生徒を励ましながら、対話しましょう。

*またこちらに動画の文章が載っているサイトをご紹介しておきます。内容の確認にお使いください。↓


今回は、Intermediate levelの生徒向けの授業提案でした😊。「いや、ウチの生徒にはちょっと難しすぎるよ…」と思われた方も見えるでしょうか…。

ご心配なく❣️次回は、もう少し簡単な「Lower-intermediate levelの生徒向け」の授業提案を考えて、投稿をしようと思います😇。お楽しみに〜✨✨


(💡プチ解説)今回は、実は…「Listening Skills を伸ばすこと」を意識してデザインした活動です。Listeningの指導は、実は4技能の中でも最も難しいと言われています。

Listeningというと…CDで流したAudio情報をどれだけ理解したかをチェックして…という教え方をする先生方がほとんどでしょう。しかし、実際の日常では、One-way listeningで「耳だけからの情報」での理解を試される場面は、電話ラジオくらいかもしれません。

実際は、テレビを見たり、ドラマ映画を見たり。今回のようなYouTubeにあるものを見たりして、視覚的な情報を得ることができるものや、Two-way listeningのように会話などInteractionを通じてのListeningが身の回りでは多かったりします。

今回のTBLTのような形で、Speaking活動やWriting活動(応用としてのReading活動)と組み合わせて統合的に行うこと、また映像を通して興味を惹きつけながら行うことも、高いListening skills向上の効果が期待されるという論文が近年続々と出てきています。(References参照のこと)

是非、この機会に様々なジャンルの動画を使いながら、楽しくListening練習をしてみてはいかがでしょうか😊💕。


References

・Chou, M. (2017). A Task-based Language Teaching Approach to Developing Metacognitive Strategies for Listening Comprehension. International Journal of Listening, 31(1), 51–70. 


・Metruk, R. (2018). Extensive Listening Practice of EFL Learners with Authentic English Videos. Teaching English with Technology, 18(4), 3–19.

・Yasin, B., Mustafa, F., & Permatasari, R. (2017). How Much Videos Win over Audios in Listening Instruction for EFL Learners. Turkish Online Journal of Educational Technology - TOJET, 17(1), 92–100. 


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