デジタルスキル標準の紹介。DX推進に必要なスキルってどんなもの?後編
会社のDX推進に必要なスキルを定義した「デジタルスキル標準」。前編では経営者を含む全員が身に着けるべき「リテラシー」について解説しました。
リテラシー編はこちらです。
後編では、DXを推進する人材が身に着けるべきスキルをまとめた「DX推進スキル標準」(以下、推進スキル編)を紹介します。
推進スキルを策定した背景
DX戦略を描いた上で、DX実現に向けて、どのような人材を確保・育成するかを検討する必要があります。その参考資料として利用されることを想定しています。
ただし、スキルを身に付ければDXが進むわけではないことに注意が必要です。DX推進で何がしたいかが重要になります。
推進スキル編の利用イメージ
推進スキルが定義されていないと、必要な人材の把握が難しく、人材の確保・育成の取組みが進まずDX人材不足となります。定義されることで、隠れた人材の発見や、採用につなげること、また従業員自らが進むべきキャリアを考えるきっかけにもなります。
5つの人材類型
推進スキル編では、必要な人材類型として、5つ定義しています。
・ビジネスアーキテクト
・デザイナー
・データサイエンティスト
・ソフトウェアエンジニア
・サイバーセキュリティ
ビジネスアーキテクト
DX推進で実現したいことを設定し、関係者をまとめ、プロセスを進め、DXの目的を実現する人材。プロジェクトマネジメント・要件定義する人のことです。
デザイナー
製品・サービスの方針、開発プロセスの策定、製品・サービスのありかたのデザインを担う人材。ソフトウエアの設計を行う人です。
データサイエンティスト
データを活用した新規ビジネス、業務改善に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計などを担う人材。データに基づいた意思決定を支える人材といっていいと思います。
ソフトウェアエンジニア
システムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う人材。プログラマーさん、インフラエンジニアさんのことです。
サイバーセキュリティ
サイバーセキュリティリスクに対する対策をする人材。セキュリティエンジニアさんのことです。
人材間の連携
推進スキル編では、これらの人々が連携する必要があると書いています。
例えば、ビジネスアーキテクトとデザイナーが連携して、調査結果から得られた考察に基づいたサービスのアイデアについて連携して検討をする必要がある、としています。
それぞれの類型の人々が、連携をする必要があり、DX推進チームのチームワークの形成がDX推進には重要であることがわかります。
スキル
推進スキル編では、すべての類型に属する人にも求められるスキルを定めています。
すべての類型に属する人に求められるスキルは5つのカテゴリー、12のサブカテゴリ―で整理されています。
「ビジネスに関するスキル」、「データ活用に関するスキル」、「テクノロジー」、「セキュリティ」に加え、「ヒューマンスキル」も定義されています。また、各類型ごとに求められるスキルもまとめられています。重要度も含め整理されていますので、会社の人材の育成の方向性の検討や、従業員自身がどの分野のスキルアップを図るかを検討することにも利用できます。
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DXの推進には高い行動力・スキルなどが求められます。キントーンのようなノーコード・ローコードツールを使うことでスキルや人材の不足を補い、DXと縁のなかった人をDX人材として発掘・育成に成功した事例もあります。
会社人生最後を迎えた私が伝えたいこと
山あり谷あり kintoneおばちゃんのジャーニーはまだまだ続く
※ASCII.jp様の記事に遷移します。
「デジタルスキル標準」の活用イメージ
最後に、どのような組織が、このデジタルスキル標準を活用していくことを想定しているかが、書かれています。
企業
DX推進に必要な人材を確保するための取り組みを実行する。育成に必要な研修のラインナップを見直したり、人材採用の職務記述書の作成をするなど。
個人
必要なスキルを認識し、研修などを受講する。
研修事業者
これらスキルに関する学習の機会を提供する。研修のコンテンツや習得した内容をアプトプット・実践のための機会を提供する。
まとめ
人材類型
必要な人材の類型は5つ。ビジネス、デザイン、データ分析、ソフト開発、セキュリティ。
人材間の連携
各類型の人々の連携が必要。相互に自身の得意分野の知見を活かし、コミュニケーションすることで、よりよいDX推進となります。
スキル
全類型に必要なスキルと、各類型ごとに必要なスキルが定義されています。企業は、研修・採用にスキルマップを活用しましょう。個人は自身のキャリアプランの検討に活用しましょう。
最後に
「デジタルスキル標準」は、これからもフィードバックを得ながら継続的に更新されるとのことです。各分野の有識者の方々が検討・議論を重ねて作られたものとなっています。協力に感謝しつつ、自社のDX推進の参考にしていただければと思います。
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