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1.彼女の嘘

彼とは同じ会社で上司と部下という関係で働いている。
小さな会社だが毎日顔を合わせることはない。
友だちの紹介で入社し10年以上が経過した。
入社当時、お互い相手がいたし付き合うなんてそもそも思わなかった。

最初は仕事のミーティング後、他の社員が帰った後に少し話す程度だったがいくつかのきっかけが重なって何年も経つと、2人で食事に行く関係になっていた。
そこから付き合うまでに3年ほど経過し現在に至る。
周りにはオープンにしていないため後輩から「〇〇さんが好きなんです」と相談されることも多々ある。
だいたいそういうときの彼は仕事に支障をきたさないようにやんわり断り女の子からフェードアウトしていくのを待つスタイルなようだが、中にはぐいぐい来る女の子もいるのだ。
何度か食事に行ったりしているようでそのたびに女の子から報告を受けるが正直私はどんな顔をして聞いているのだろう。
純粋にそのことを喜んでいる先輩、になれているんだろうか。
誰か教えてほしい。

中には衝撃的な告白をされることもある。
付き合っている、2人で旅行に行った、とか。
さすがにこのときには怒り大爆発して彼に直接文句を言って別れる、といったが別れられず現在に至る。
彼の言い分では、旅行に行っていない。そもそも告白されたが付き合っていない、断った。と言っていた。
…なにを信じればいいのか分からない。

そのときの彼女は退社する直前だったためそのままうやむやになっている。
今検証しても100%、彼女の嘘だったとは言い切れないと思っている。
少なからず何かしらあったような気はするが…旅行は行ったとは思えない。

その時の行先を聞いたが私とは行ったことがない旅行先だったし定宿がある彼は他のホテルに泊まるとは考えにくいしどこに行ったとか詳しく聞いたような気がするがもう数年前のことなので記憶があいまいだ。
そして彼女から聞いた話では一線は超えていない、という。
それが決定打となりきっと彼女の嘘だったんだろう、ということに落ち着いた。
彼は泊まりで行って一線を越えない人ではない。
違うか、一線を越えることができない人とは泊まりでは旅行に行かないと思う。
彼のパーソナルスペースは広い。
退社後、彼女は1年ほどして別の人と結婚した。
私は彼女と会うこともないし連絡も取っていない。

タイトルはそのうち変更するかもしれません。
この写真はこの数年の私を表しているようだ。

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