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風に揺れて

よせばいいのに風に逆らう
そして負けていく 明日に 風に
なめらかな心臓 緩やかな鼓動
幽霊船が沈む様 いつかそこに自分も辿り着く
永遠ももう半分くらいまで来てしまった
毛羽だった犬のようだ
タールでいっぱいの排水のようだ
海岸を這うヤドカリのように
空を飛ぶ子供のように
揺蕩っていたいよ
シャツを風に揺らして 香りをはなって
溺れるように酔ってそのまま消えてしまいたいよ
痛みは次の夜へ
虚無は次の朝へ
このまますぅっとすぅっと消えられたなら
浮浪者の夢 イガグリが手に刺さる
空き缶が後頭部にめり込んで死ぬる唄
その傷口を吸い込んで
呑まれて行くフューチャーデイズ




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