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【詩】アルバトロス

この夜道 この駐車場 けもの道をゆくのは誰
イヤホン線路に落として 今日も元気はない
空いた前歯からの冷たい夜風
チャーハンしか最近食ってない昼飯時
人間には血塗られた歴史しかないのだと、勝手に学んだ
「君の父ちゃんはいつ会社がなくなるかわからんのだ」
君の父ちゃんだけじゃないが

アホウドリがまた飛んだ
君の皿のステーキが冷める前に
アホウドリがまた飛んだ
さしあたって今夜の晩ごはんどうしよう

この夜道 この駐車場 けもの道をゆくのは誰
駅のホームにブルーシート 今日も遅刻は免れない
空いた前歯からの冷たい冬風
菓子パンしか最近食ってない昼飯時
人間には血みどろの歴史しかないのだと、どこかで学んだ
「君の父ちゃんはいつ会社がなくなるかわからんのだ」
君の父ちゃんだけじゃないが

アホウドリがまた消えた
子どもたちがベランダに置き去りにされる間に
アホウドリがまた消えた
子どもたちが炎天下車に置き去りの間に

この森林 白い花の咲く時間 けもの道をゆくのは誰
死体のような体ひきづって 生きていくのはなぜ
空いた前歯からの冷たい夜風
お茶しか最近飲んでない昼飯時
人間には血塗られた手しかないのだと、学校にて学んだ
「君の父ちゃんはいつ首吊るのかわからんのだ」
君の父ちゃんだけじゃないが

アホウドリがまた飛んだ
君の皿のパスタが冷める前に
アホウドリがまた飛んだ
さしあたって今夜の晩ごはんどうしよう

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