【詩】冷たい廊下
冷たい廊下に繋がれて
言わなかっただけの罪とか幻とか
冷たい廊下に繋がれて
私は胃の底がキリキリする
誰もが尊くそのままでいいのだと
言ってはみたけれど
僕の村は戦場だった
死体浮く川縁でおにぎりを食らう
誰もがそのままで尊いのだと
言ってはみたけれど
僕の村は戦場だった
一夜の王を目指してスカーフェイス
冷たい廊下に横たわって
もう聞こえなくなった遠い歌を
冷たい廊下に横たわって
口ずさむ異邦人の歌を
誰もが目が見えない
醜さだけを見ることができるけど
誰もが目が見えない
血のり振り払ってうどんを食いにいく
誰もが目が見えない
天空聳り立つタワマンにて
私はユダを抱いて空を飛ぶのだ
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