半分は人間だった

帳簿に映るこの粗大ゴミ
水面に浮かぶ虫の屍体
泥に塗れた食パンを口に押し込み
爛れた口臭吐いてゴーする

驚けることもなく
誰にも気にされることも
誰を気にかけるでもなく
川の下で横たわりて

半分は人間だった
家族を殴るし
人の悪口は言うし
子猫は可愛がるし
半分は人間だった
劣性に唾を吐くし
異物を排除するし
愛想だけは良かったり

帳簿に書けない粗大ゴミ
もう苦しい白いシャツ
傘に穴が空いたので
その傘は人を殴る用事で使うことにした

蛆虫の，心臓を
わざわざすり潰して
劣性の、眼球に
わざわざ泥擦り込んで
蛆虫の、太陽を
汚して　唾棄して
ラジオに頭めり込ませる
ラジオに頭めり込ませる
ラジオに
ラジオのように