「自分はHSPだ」と自覚して人生が少し楽になった話
はじめまして。2021年2月からセカンドスターに参加しています、すずきあきです。
雑誌の編集部員やフリーライターなどを経て、現在はweb制作会社で働いています。
私はHSPです。少し前から話題になっている、いわゆる「繊細さん」です。2年前にHSPと自覚したきっかけ、いまどんな風にこの特性と付き合っているかを書いてみようと思います。
■HSP(繊細さん)とは
ここ数年、よく耳にするようになったHSP。Highly Sensitive Personの略で、非常に繊細な気質を持つ人のことを指します。
・物事を慎重に深く考えてから行動する
・外部の刺激に敏感で疲れやすい
・他人の気持ちに共感しやすく、また振り回されやすい
・想像力が豊かで、創作力に長けている
などが代表的な特徴です。
5人に1人、実に人口の約2割が当てはまるとされています。意外と多いと感じますがいかがでしょうか。
最近では解説サイトや動画が多くあり、少しずつ認知されてきているようです。
■幼少期から典型的なHSPだった
思い返せば、私は子どものころから敏感な性格でした。人の言葉や表情だけで何かを感知するのではなく、その空間をまるごと察知してしまうという感覚です。
「両親はケンカ中だな」「今日の担任の先生はイライラしてる」と自動的にキャッチ、彼らの機嫌がこれ以上悪くならないように自分はいい子でいよう、と気を張っていたものです。
いつしかその緊張感は日常となり、頑張っていれば安心（→だから気を抜くな）という感覚が私のデフォルトとなっていきました。
■失敗を恐れまくるグッタリ人生
就職先は編集プロダクション。雑誌作りは刺激的で楽しい毎日でしたが「失敗して誰かに迷惑かけたら大変」という強迫感から過労で倒れること数回……。
そして出産後は子どもの体調に四六時中アンテナを張り、ママ友との会話では「いまの私の意見、大丈夫？」と気を使いまくってグッタリ。
でも“人生それが当たり前“と思ってアラフィフまでやってきました。
■HSPと自覚したら世の中が違って見えてきた
2年ほど前のことです。会社の後輩（20代女子）とおしゃべり中、ひょんなことから性格の話に。そのとき彼女がさらりと「私HSPなんです」とカミングアウトしてきました。
実は彼女、私と性格がそっくりで気を配るポイントや落ち込むタイミングもぴったり。「彼女がHSPなら私もそうかも……」と調べてみると、まさに私そのもの！
さっそく本や動画で自分の特性を一つ一つ確かめていきます。
「私はHSPだ」と実感した瞬間、すべてのことが腑に落ちて、目の前の靄が晴れたような気持ちになりました。意味もなく緊張していたことも、自意識が過剰だったことも、この特性が理由だったのだ、と。
そして、HSPと自覚したら目の前で起こる出来事の解釈がずいぶん変わりました。
例えば……
「上司の機嫌が悪いとき」
≪自覚前≫
何か気に障ることをしてしまったかな？
私の提出物がよくなかったかな？
※とにかく自分のせいだと思いひたすらドキドキ
≪自覚後≫
機嫌がいいか悪いかは、上司の範疇。私の責任ではない
「好みでないBGMや人の声が気になるとき」
≪自覚前≫
気になる気になる～静かにしてほしい！（イライラドキドキ）
≪自覚後≫
音が気になりはじめたらすぐにイヤホンをつけて内の世界へと入り込む
「夫がお風呂掃除をするとき」
≪自覚前≫
私がやらなくちゃいけないのに申し訳ない……軽い罪悪感
≪自覚後≫
ありがたいありがたい、みんなで家事ができていいよね
※食器を洗ってくれているときも、のんびりソファに座っていられるように
自覚前の私は他人のことばかり気にして、それでいて自意識過剰。
結局のところ、自分を大切にしていなかったんだなぁ、そう感じます。
■感情の揺らぎを無理に止めず、あるがままに
いまも大きな声に動揺することもあれば「私のせいかな？」と胃がキリキリすることも。HSPの対処法をうっかり忘れてオロオロすることもよくあります。
行きつ戻りつしながら、自分に与えられた性格とうまく折り合いをつけて歩んでいこうと思っています。
ちなみにHSPは、共感力が高くて人に寄り添える、細かいことに気づく、想像力＆創造力に長けている、など誇るべき長所も多くあります。その話はまた別の機会に。
≪私が助けられた書籍≫
・鈍感な世界に生きる 敏感な人たち イルセ・サン著
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・身勝手な世界に生きる まじめすぎる人たち イルセ・サン著
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執筆：すずきあき
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