「夢をかなえるゾウ」を読んで

社会人になって、ビジネス書や自己啓発本を読む機会が増えた。営業の本、コミュニケーション本、インプット・アウトプット本、お金に関する本などなど。このようにnoteに思考をまとめて整理するようになったのも、アウトプット本の影響によるところが非常に大きい。

そんな中で、たまたまAmazon Prime Readingで見つけたのがこの「夢をかなえるゾウ」という本である。ストーリー仕立ての自己啓発本であるということでそこまで大きな期待を持って読み始めたわけではなかったが、読了後に非常に考えさせられる内容であったので、まとめてみたい。

「期待は感情の借金である」

自分を変えてくれるんじゃないかという本を読む時には、当然期待をもち、興奮するものである。しかし、これは何も苦労をしていないのに成功するかもしれないという「高揚感」を前借りして快感に浸っているだけである。最初はその余韻で満たされたままであるが、そのうち簡単に成功できないという現実にぶつかってしまう。そこで、気持ちの返済をすることになり、どんどんやる気が低下してしまう。そして最終的に、夢を失ってしまう。「期待」している間は現実を変えることはできない。人が変われるのは、「立って何かをした時」だけである。

「サービスとして夢を語り、他人のサポートをする」

自分は仕事、そして人生の大きな目標として「他者および社会に貢献すること」「自分が生きた証を残す」ということを掲げている。しかし、その目標を達成するための夢というのは他人に応援してもらえなければ独りよがりなものとなってしまう。「自分の夢をかなえる=人の夢をかなえる」という式に当てはまる夢を持つことは、応援してもらえる可能性が最も高い。そのためにも、相手の夢を引き出す質問を多く行い、人がやりたいこと、人が持っている夢、人が幸せになる瞬間を常々考えながら行動することが非常に重要である。これは当たり前であるが、成功のための唯一の秘訣である。

「事件が人を変える」

人の変化に必要なことは、誰かに才能を認められるということである。これは自分が今まで気づかなかったような才能を見出されるということである。これを見つけていくためには、可能性を感じるところに数多く「応募」することが必要となる。チャンスは待っていても降っては来ない。「奇跡」を起こす力が、そして自分の人生を変えうる大きな力が「応募」にはある。そしてなぜ多くの人間が「応募」をしないのか、それは才能がないと判断されることに対して怯えているからである。この一歩を踏み出せるかどうかが、成功する人としない人との大きな違いであると言えるであろう。やってみてダメだったらまた戻ればいい。前みたいな仕事ができるかは分からないけれど、自分にとって好きな作業を知ることが一番大切である。

「大きな欲がある=大きく欠けている」

欲があるということは、すなわちそこが欠けているということの裏返しでもある。そして、皮肉なことに「足りない」と感じれば感じるほど、その欲というのは満たされないものである。自分が満たされていないと人を喜ばせることはできない。人を喜ばせなければ、欲を満たすことは難しいのだから、「足りない」と感じてイライラしてしまうことは逆効果であると言える。ここで大切なことは、「感謝」の気持ちを忘れないことである。自分の中に足りないことを何かで埋めるのではなく、自分は満たされている、自分は幸せなのだから他人の中に足りないものを見つけ、そこに愛を注いてあげる。それこそが、本当の成功への近道である。なぜか。成功の証であるお金、地位、名誉。これらは全部他人が自分に与えてくれるものだからである。「みんなのおかげで私は満たされています。ありがとうございます。」そう感謝して生きていくことこそ、成功への近道と言える。

社会人となり、自分の価値をどのようにつけていけばよいか、どうやって今後自分を売り出していけばいいのかということについて考える時間が多くなった。しかし、今一度原点に立ち返り、この世界は自分だけで成り立っているのではない、評価や才能というのは他者から認められてこそ成立するものであるという当たり前の事を思い出させてくれる素晴らしい本であった。今後も数多くの本に触れると思うが、本書に書いてあるある意味当たり前なことということは忘れないようにしていきたい。当たり前のことを再確認できる上にハッとさせられる部分も多いので、多くの人に読んでもらいたいと感じる本でした。

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