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【ゆる説】”自分の全財産を突っ込めるか”と自問すると、アイデアの質が一気に高まるんじゃないか説

注意:【ゆる説】は、日頃「実は、こうなんじゃないか」と感じた説を、備忘録的にゆる〜く書き留めたものです。真偽は皆さんで確かめてください。

先日、とあるクライアントの新規事業開発のメンタリングをしていたときのこと。

どうも出てくる事業アイデアが皆ふわふわしていて、“机上の空論”になっていたり、お金の匂いがしなかったり。

正直、突っ込みどころ満載だった。しかし、当事者はそのアイデアに自信満々。

色々ダメ出ししたいところだが、それはあまり生産的ではない。
相手が萎縮したり、変に身構えてしまったり、最悪の場合、自ら答えを出そうとせずに、こちらに”正解”を求めてきてしまうためだ。

(私は、新規事業はその会社の人がいかに熱量高く、”自分ゴト”として考え推進できるか、が成功の鍵だと信じている。だから、あくまでも触媒としての役割に徹するのだ)

そこで、次の質問をしてみた。

”皆さん、仮に3ヶ月後に今の会社を退職して、それ以降、25日の給与日にお給料が入ってこなくなることを想像してみてください。
皆さんの全財産がいくらあるかわかりませんが、お給料が入ってこなくなるので、どうにかして今考えていただいている事業アイデアを1日でも早く形にして、お金を稼がなければいけません。ヒリヒリしますよね?
私もそうですが、起業家は皆そのヒリヒリを痛いほど感じながら、必死になって事業を軌道に乗せようとするんですよ。
新規事業も一緒です。
だから、皆さんの全財産をその事業アイデアに突っ込めるか?という質問に”YES”と答えられないなら、もしかしたら、そのアイデアはまだ検討の余地があるかもしれません。”

するとどうだろう。

クライアントの目の色が変わり、自分たちの事業アイデアを必死になって見直し始めたのだ。

新規事業の是非を判断する、社内の投資家とも言える経営陣は、ある意味ドライにその事業アイデアの投資対効果を数字で見る。

一方、新規事業アイデアを起案するメンバーは、ある人は想い先行で”夢物語”から脱せなかったり、ある人は”上からやれと言われたから”という理由でプロジェクトに参画しているため、本気度が足りなかったりする。

しかし、”自分の全財産をそのアイデアに突っ込めますか?”と質問すると、人によって程度の差はあれど、皆リアリティを持って考えられるようになる。

要は、”自分ゴト”化できるのだ。

起業家が当たり前のように感じている感覚を伝えるだけで、クライアントの検討の質が一気に高まった、この出来事は非常に印象的だった。そして、新規事業に限らず、あらゆるアイデアの検討には必要な問いなのかもしれないと感じたのだった。

皆さんは、今お仕事で検討しているそのアイデアにご自身の全財産を突っ込むことはできるだろうか?

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