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「鎌倉学び舎」ができるまで⑥〜先生方との出会い〜

今回は

鎌倉学び舎の伝統文化を担当して下さっている

先生方との出会い

について綴りたいと思います。


前回書いたように

想いを持って

伝統文化のお稽古を

取り入れようと考えた訳ですが

その時点で

伝統文化の先生で

知っているのは三味線奏者の

友人のみ。

他には知りませんでした。


でも


日本舞踊の先生

書道の先生

華道の先生


いずれも、三味線奏者の友人とご両親が

ご紹介下さいました。


茶道の先生は

鎌倉で活躍する

小学校時代の同級生が

ご紹介下さいました。


私と夫は

ドキドキしながら

先生一人ひとりに

ご挨拶に伺い、

これまでの記事で綴ってきたような

志をお話ししました。


すると

全ての先生が

賛同して下さり

大変快く

お受け下さいました。


お受け下さるたびに

涙が出そうになるほど

嬉しかったのを

覚えています。


こうして集まった先生方は

本当に素敵な方ばかり。


茶道の先生は

裏千家の名誉師範で

何十年も前から

鎌倉の保育園でも

子どもたちに茶道を

教え続けていらっしゃる先生。

そのため

子どもたちへの教え方が

とてもわかりやすく

子どもたちは

大切な和の心や

茶道の技術を

すーっと

吸収していっています。

先生のお稽古を

受けている子どもたちは

みんな茶道が大好きになり

次のお稽古を心待ちにしています。


華道の家元の先生は

千利休の

「花は野にあるように」

を忠実に守って

お花を活けていらっしゃる先生。

「お花の声をよく聞いて」

「お花で絵を描くように」

「そのお花が一番きれいに見えるように」

「光がどこから当たっていたかをよく見て」

など、心構えの部分から

活け方の技術的なところまで

とても丁寧にご指導下さっています。

私はこの志や教え方が

とても好きです。

子どもたちは

毎回

目を輝かせて

お花に

向き合っています。

そして

情緒に加え

空間構成力や決断力も

育ってきているように感じます。


日本舞踊の先生は

吾妻流の師範で

日本舞踊をやっている人なら

憧れの演目であり

鶴岡八幡宮の舞殿で披露される

「静の舞」

を務めた先生。

子どもも大人も

先生の舞を一目見ると

たちまち魅了されてしまう

みんなの憧れの先生です。

お着物を着たときの

佇まいと所作の

美しさは素晴らしく、

こんな風になれるなら

子どもに

日本舞踊を習わせたい

と思う方が続出しています。

子どもたちは

日本の踊りも、

日本の音楽も大好き。

時々口ずさんでいたりします。


三味線の先生は

荻江節の家元の家に生まれ、

現在は国立劇場や歌舞伎座などで

演奏をする傍ら、

鎌倉でも

三味線ワークショップを

積極的に開催し、

伝統文化を

もっと身近に感じてもらい

後世に繋いでいこうという

志を持って

活動している方です。

三味線と言うと

メディアでは津軽三味線などが

有名で

「荻江節」

というのはあまり耳にしたことが

ないかもしれませんが

「音色」

を大切にする

とても美しいものです。

このご指導を受けて

日々練習している子どもたちは

「音色の美しさ」を

聴き分ける耳も育ってきています。


書道の先生は

あの歌手のユーミンさんが

ご自分の歌詞を使った

大人の美文字本をつくろうと

思った際に

「この人の字がいい」

と、ご指名下さった

というエピソードをお持ちの先生です。

絵描きさんでもあり、

美しい字に加え

美しい絵も

お描きになります。

いつでも自然体で

とてもきれいなオーラのある

先生の

書道教室では

いつも子どもたちが

のびのび

キラキラ

しています。

先生のお教室は

「基本の書」の回と

「遊びの書」の回が

あります。

「基本の書」の回には

オーソドックスな書道教室のように

お習字の基本を学びます。

「遊びの書」の回には

書道に加え、絵の具を使った

絵の要素を入れたり、

自由な表現で

作品作りをしたりします。

「遊びの書」があることで

筆遣いが伸びやかになり

結果的に

字もうまくなる。

目を輝かせて

書に取り組む子どもたちは

この時間が大好きです。


どの先生も

子ども一人ひとりを

よく見て

その子に合った

ご指導をして下さっています。

そして、

「人として」

大切に

育てて下さっています。


鎌倉学び舎では

お稽古は

その子自身が心から

「やりたい!」

と思った時に

始めることを大切にしています。


だから

こちらから無理に

勧めることや

強制することは

ありません。


そのため、

お稽古を1つもやっていない子も

もちろんいます。


そういう子たちも

伝統文化の先生が

学び舎にいらっしゃる時間を

楽しみにしていたりします。


お着物や素敵なお洋服で

いらっしゃる先生方の佇まいから

いつもと違う

伝統文化の香りを

感じ取っていることもあれば、

先生と仲良くなって

お話しするのを

楽しみにしている子もいたりします。

時には

先生のためにプレゼントをつくって

渡している子も

います。


先生方は

お稽古を習っている子

そうでない子

で線引きすることなく、

どの子にもあたたかく接して下さり、

そこには

あたたかな

人と人との

心の交流があります。


こんな風に

鎌倉学び舎に関わる

全ての大人が

子どもたちを

心から慈しんで

ともに育てている。

そんな空間が広がっています。


この素晴らしい先生方と

出会えたことに

心から感謝している

毎日です。


(つづく)

鎌倉学び舎
http://kamakura-manabiya.jp













子育てにまつわるあれこれを綴っていきます。専門知識に基づいたことから日々の中で感じたことまで。保育系大学専任講師を経て、現在は、学童保育施設代表、子育て支援施設主宰、教育研究所所長、保育園理事。博士(教育学)。小学生の一男一女の子育て中。