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罪悪感、劣等感を感じたら、切り替える前に感じ切る

罪悪感、劣等感を感じたとき、気を紛らわせたり気分転換をするのは良いことのように思うかもしれませんが、実はより良い方法があります。

その方法は、罪悪感、劣等感を感じている自分に対して思いやりをもって接するというものです。
自分が感じている罪悪感、劣等感をしっかりと受け止めます。よく、嫌なことがあっても素早く切り替えることが良いことのように言われますが、これはステップを飛ばしすぎです。切り替える前にすべきことがあります。

1.思いやりを持って自分と接する

まず、「やってしまった」「どうして自分はこんなこともできないんだ」などという心の声に耳を傾けます。

「自分は〜してしまって、後悔しているんだな」「理想の自分とかけ離れていて、こんなに劣等感を感じているんだな」などと、自分の気持ちに共感します。この時、感情をきっかけに、「自分の大切な何が損なわれたのか」までさかのぼり、「自分の大切な何かが損なわれたから自分はこう感じている」と表現できればベストです。

自分の大切なものが何かわかっている人と、わかっていない人とでは、人生の豊かさが違います。わかっていれば、大切なものを手に入れるための地図を持っているようなものです。幸せな人生を歩むことができるでしょう。

また、自分への共感の積み重ねは意志力をも鍛えます。
「思いやり」は脳の前頭前皮質という部分を使用するのだそうです。この前頭前皮質は「物事をやり遂げる意志力」を司る部分でもあるそうです。脳は使用すればするほど鍛えられる唯一の臓器ですから、自分への共感によって鍛えれば鍛えるほど、物事をやり遂げる意志力も鍛えられます。

加えて、自分への共感を積み重ねていくと、似たようなケースというのは必ず出てきます。以前乗り越えたことがあるケースであれば、前よりもずっと簡単に乗り越えることができるはずです。経験値という点からも自己コントロールが容易になるのが理解できるでしょう。

一方で、心の声に耳を傾けずに気分転換をした場合はどうなるでしょうか。
「自分と繋がって人生を豊かにするチャンス」、「意志力を鍛えるチャンス」、「感情を乗り越える経験を積むチャンス」を逸するのと同時に、自分にとって大切なものが何かが分からなくなっていきます。
というのも、人間は現状を肯定する生き物なので、「大切なものを大切にしなければ、それはもう大切なものではない」と勘違いしてしまうからです。

2.辛い思いをしているのは自分だけではないと思い出す

自分へ十分に共感したら、外に出ましょう。
外に出ると、いろいろな人が歩いています。この人たちにもいろいろな悩みがあって、日々、罪悪感や劣等感、怒りを感じています。「辛いのは自分だけじゃない」という事実を確認することができます。

すると、頑張ろうという気が湧いてきます。

3.自分で自分を慰める

自分を親友や大切な人と思って、自分から相談を受けたらなんと声をかけるか考えます。例えば、こんな風に。

「落ち込むよなー。何も手につかなくなっちゃったりしてさ。みんなそうだと思うよ。辛い時はね。そんな時は誰かに頼ってもいいしさ。自分の前に明るい道と暗い道があるなら、自分にとって明るい道を選んでいこうぜ」

考えた通りに心の中で声をかけます。
おそらくその声は、ポジティブで前に進むよう促す声となっているはずです。親友があなたに不幸な道を選ばせるはずがありませんから。

4.まとめ

<罪悪感や劣等感を持った時の対処法>
1.思いやりを持って自分と接する
2.辛い思いをしているのは自分だけではないと思い出す
3.自分で自分を慰める
※順番が大事です

以上のステップは、視点に注目すると、
「①自分、②自分→外、③外→自分」という枠組みになっています。
中から外へです。外から中へではありません。

いきなり親友の声がけをやってしまうと、外の基準で自分を動かそうとすることになるので、自分とつながることができません。
自分への共感からはじめることが大切です。

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