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「妄想」について踏み込んで考えたら、人生変わった話

私たちが普段何気なく使う「妄想」という言葉。なんとなくネガティブな響きを持っています。ところが、考察を深めると、なんとなくではなく本当にネガティブなものでした。

この記事では、「妄想に気づけばそれだけで人生が変わる」そんなお話をしたいと思います。

<目次>
1.あれもこれも妄想
2.人は「いつも」妄想している
3.でも、妄想しようとするとうまくできない
4.人生から妄想をなくす前に妄想に気づく
5.妄想に気づいたら人生変わった

1.あれもこれも妄想

単刀直入に極端な言い方をすれば、私たちの考えるすべては妄想です。

たとえば、頭の中でこんなことを考えることはないでしょうか。

・朝起きて、今日の仕事や会う人を無意識に想像してしまう
・食事中、次の休みは何して過ごそう?と考える
・仕事中に、ふと、今日の晩ご飯何にしよう?と思う

これらはすべて妄想です。
では妄想とはどういう意味かというと

もう‐そう 〔マウサウ〕 【妄想】
[名](スル)《古くは「もうぞう」とも》

① 根拠もなくあれこれと想像すること。また、その想像。「―にふける」「愛されていないと―してひとりで苦しむ」

② 仏語。とらわれの心によって、真実でないものを真実であると誤って考えること。また、その誤った考え。妄念。邪念。

③ 根拠のないありえない内容であるにもかかわらず確信をもち、事実や論理によって訂正することができない主観的な信念。現実検討能力の障害による精神病の症状として生じるが、気分障害や薬物中毒等でもみられる。内容により誇大妄想・被害妄想などがある。

"もう‐そう【妄想】", デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-09-20)

②の意味の「邪念(雑念)」が上にあげた事例と合致します。ですから、上にあげたのはすべて妄想です。妄想よりは雑念といった方が意味が通じるかもしれません。

この定義をもとにすると、何かをしながら頭に浮かんでくるあれもこれもほとんどすべてが妄想ということができます。

2.人は「いつも」妄想している

ほとんどすべてが妄想ということは、わたしたちはほとんどすべてが妄想しながら生きているということになります。その通りです。気づいていないだけで、ほとんどすべての時間を妄想しているのです。

朝起きて自動的に最初に仕事や会う人のことを想像したのであれば、夜寝る頃には翌日の仕事や会う人について想像しているでしょう。
このように、わたしたちは朝起きた瞬間から妄想し始め、夜寝る間際までほとんど休むことなく妄想し続けていることになります。

3.でも、妄想しようとするとうまくできない

ところが不思議なことに、自分で妄想しようと思ってやってみてもうまくできません。普段は絶え間なく(本当に絶え間なく)妄想しているにもかかわらず、いざ自分で意識的にやってみようとするとうまくできないのです。

何かをしているときは、めったやたらと妄想が割り込んできます。でも妄想しようとするとできません。

厄介な相手です。何かをしようとすると邪魔をする。けれども、その姿を直視しようとすると隠れてしまう。

4.人生から妄想をなくす前に、妄想に気づく

妄想は何かをしているときに出てきます。いきなりなくそうとするのではなく、その尻尾をまずは見る必要があります。それには、言葉にするのが有効です。

朝起きて仕事のこと、その日会う人のことが思い浮かんだら、「今、仕事のことと、今日会う人のことが思い浮かんだ」と言葉にします。
これで妄想の足跡を残すことができました。

通勤中歩きながら、ふと次の休みは何して過ごそうと考えたら、「今、次の休みは何して過ごそうか考えている」と言葉にします。

仕事中に、ふと今日の番号は何にしようと考えたら、「今、今日の晩御飯を何にしようか考えている」と言葉にします。

5.妄想に気づいたら人生変わった

このように妄想している自分を言葉にしていくと、自分がどれだけ妄想しているかに気づくことができます。本当に絶え間なく妄想しています。自分がすべきことに集中している時間は短いことに気づきます。

これに気づいたとき、妄想することの無意味さを痛感しました。そして、自分はどれだけの時間を妄想に費やしてきたんだろうと苦笑してしまいました。

しかし、今からでも遅くはありません。自分の妄想に気づき、その気づきを言葉にしているだけで妄想に費やす時間は減っていきます。

歯磨きや食事、移動中など、やり慣れていて考えながらでもできてしまう行為の最中に、ほかのことをせず、その行為自体に集中します。必ず妄想が出てきます。それを言葉にします。
言葉にした後は、歯磨きに集中して、歯の一本一本を意識して、歯ブラシと歯の当たる角度や力の入れ方、磨くスピード、磨く向きに注意します。
また妄想が出てきたら言葉にして、注意深い歯磨きへ戻ります。

これは歯磨きの例ですが、仕事でもスポーツでも勉強でも会話でも、同じではないでしょうか。

・仕事中の妄想を減らし、仕事そのものに集中する
・スポーツ中の妄想を減らし、スポーツそのものに集中する
・勉強中の妄想を減らし、勉強に集中する
・会話中の妄想を減らし、会話に集中する

妄想を減らし、行為そのものへ集中する。実際にやってみるとわかるのですが、行為そのものがうまくいく確率が上がるだけでなく、精神的な充実感をも得ることができます。

どうでしょう。人生が変わると思いませんか。少し大げさでしょうか。

私の経験から言えば、リンゴが木から落ちるように、妄想に気づいたら人生が変わるのは必然です。住む場所や、つきあう人、仕事が変わるような外的に大きな変化ではありません。
しかし、内的な変化は相当に大きいはずです。
そして、内的変化はいつか大きな外的変化につながるでしょう。
インサイドアウトです。

さて、あらためてポイントを繰り返すと、

・妄想(雑念)に気づき、言葉にする

です。

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