夏の雨上がり、立ち昇る大地の匂い。鞄を預けたままの思い出。はぐれて落ちてきた一滴に揺れている傘の後ろ姿、水たまりの空に佇んでほどけていく。夏からの雨宿りができた、涼しかった一日の終わり。ひと筆で描いた綿雲が遠く空で燃えている。間に合ったように輝いている明日の空。

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