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愚痴の解剖学/アボカドいくらなら買う?(2/21)

「頭の良い人は愚痴を言わない」と某美容外科の高須幹弥先生(かの有名なお父様ではなく、御子息)が仰っているのを偶然にYouTubeで発見した。お会いした事もなければ本業の様子は全く存じ上げないが、動画で拝見する限り面白そうな方だ。

私といえばまあそれは毎日ほど何かを愚痴を言っているので、一概に頭が良い人が愚痴を言わないわけでもないのかな?と思ったが(自己評価の高さに軽く二度読みしたあなた、わたくしとしては日記を毎日読んでもらい、一刻も早く「どうやらすぐにチョケたがる英国風の世武裕子」に慣れて頂きたい)
実際にわたくしの愚痴は殆ど軽口みたいなもので、むかつくー!だの、腹立つー!だの言っているが数時間も経てばケロッとしていることの方が多い。
数時間経てばケロッとするなら言わなければ良いのだが、それだと解消されないのだから仕方がない。

自分が誰かの愚痴を聞く時は、相手よりもキレるか、「酷くて逆に笑えてきたわ!」の境地にさっさと相手を引きずり出すことを心掛けている。
これまで前者の手法を取る事が多かったのだが、意外とあとから(悪気はない?と思うが)悪口を言っていたのは世武の方、というふうに主語もしくは話がすり替わっているケースが見受けられ、相手が弱ってた時のしおらしさは見る影もなく、少し裏切られた気持ちに一人ぷんぷんしたりする。

そんなわたくしだが、今日も今日とて大使館の杜撰な対応にぷんぷんして、このままでは怒りが収まらぬ!と家の中をウロウロ(9畳くらいだが)し、太陽でも浴びなければやってけないわ!と外へ出る。(がっつり、雨)
傘の隙間から、雲の向こう側から太陽がこちらを呼んでいる。ああ、私はここにいますよ、と両手を広げて応える喜びのシャワー!(タイタニック風で小道に立つ)
ちょっと気が済んだので、そのまま最近見つけたオシャレっぽいのに価格が庶民的なスーパーに向かった。

もちろん、まずは野菜の割引ワゴンに直行。アボカドは158円より高かったら買わない、と心に誓って生きているが、今日は198円だった。残念だ。「逆に2個で498円の良さげなものを買うか?いっそのこと振り切ってみたらどうか?」と自分の心に問うてみたが、答えはNOであった。相変わらず世武はケチなやつだなと、またうっかり愚痴が出た。愚痴から解放されるための外出で、また愚痴を見つけるプロの所作。ここまできたら愚痴は呼吸、もしくは相棒みたいなものである。

昨今アボカドで最も出くわす率が高い価格設定は198円、その次が158円。138円の時には「おお!」となる。「私はお前と一連托生だ!」と恩着せがましく幾つか良さそうな個体を手に取る瞬間の充実感と言ったら、"生きててよかった"、だろう。生まれてきてくれてありがとう。

で、今日は198円でアボカドは買えなかったのだがら、138円感動秘話なんて今はどうでも良い。
あまりに愚痴りたい時はインスタグラムに力を借りることにしている。そう、24時間で消えるストーリーに愚痴をぶちまけるのだ!

24時間で消えるシステムの上に かく胡座は、落語家のそれより年季が入ったものだが、私のエクスキューズはそれだけには留まらない。ボイスチェンジャーを使って声色を高めに響かせることで馬鹿馬鹿しさを一層打ち出すようにしている!
このひと工夫、というより懺悔は、結局自分を救っている部分もあって、早口でケロケロと愚痴っているうちにいよいよ馬鹿らしくなり「愚痴れるって幸せかも。まぁ、なんとかなるんだろうし?」という気分になってくるのである。(そう考えると、やはり愚痴は馬鹿馬鹿しさ、もとい、馬鹿に宿るものなのだろうか?)

Anyway, 私が愚痴った時はゲラゲラ笑い飛ばすか、当事者(私)よりキレまくるか、どちらで接してもらえると有難い。愚痴る時に相手に求めているのは、共感でも慰めでも、増してやその人の過去の苦労話の披露でもなく、笑いなのである。

という理由から、私自身は相談者よりキレるという危険な橋をたまに渡ったり、力技で「くだらない!」と共に笑えるところまでフルスロットルのスタータイムを突っ走る。
演技とか嘘とかじゃない、自分でその中に「本当」を見つけているのだから。

今日の私のぷんぷんはインスタグラム ストーリーでのボイスチェンジャー愚痴投稿によりすっかり解消し、夜はピアノの練習、制作であっという間に数時間が経過していた。またひとつ愚痴るとすれば、音楽制作以外で忙しいと、曲を作る時に些か手狭な感覚から脳みそをほぐす余計な段取りが必要になるので、やはり雑務はなるべくやりたくないなという感じ。

ちっ、結局さ、大使館のあの対応が悪いからこそ、こちらの仕事やストレスが激増して.......
まずい、思い出しぷんぷんしそうだ。今日はこのへんで愚痴をやめて、頭が良さそうに思われよう!

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