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究極の苦甘の域に至った猿楽珈琲

珈琲の味について語るよりも
珈琲豆を焙煎して、豆で語ろうと、珈琲それ自体で語ろうと
せっせと週1ペースで焙煎していたのですが
久しぶりに感動するレベルの珈琲に出会い、居ても立っても居られなくメモを残しておきます。

猿楽珈琲店


コーヒー好きには言わずとしれた手回し焙煎、深煎りコーヒーの名店
南方郵便機とアンセーニュダングルで深煎りコーヒーに出会って以来
大坊珈琲店やバンカムツルに帰山人さんなど色々な深煎りコーヒーを飲んできましたが
昨日、猿楽珈琲で飲んだ「にがめの珈琲(キューバ)」は、その深煎りコーヒーの中でも
一つの完成形・至高の深煎り珈琲じゃないかと思う美味しさ、完成度でした。

深煎りコーヒーで1番美味しいについて語るのではありません。
ただ、深煎りコーヒーとはなにかとした場合それは
「苦甘い珈琲」のことだと、意見は一致するかと思います。
そして、昨日飲んだ猿楽珈琲の「にがめ」は
珈琲の甘さと苦味が完全に一体となって感じられたのです。

のみ口のはじめは
まさにメイラード反応!水温は深煎りコーヒーとしては比較的高めにしてあり
深煎りコーヒーの甘く芳ばしい香りが立っていて
飲むと
苦味と甘味が一つになっているんです。舌の上で一つに一体の液体として
苦甘い珈琲として調和が取れている。
同じくらい苦く、同じくらい甘い
どちらが一方が突出することなく、苦味と甘味が渾然一体となっている。
まるで、苦味と甘味という糸だけによって編まれた一本の力強い荒縄のよう
まっすぐで、ブレずに、堂々としていて、潔く、苦味と甘味しかない。
他には何もない、なにもない。
これでいい、これが苦甘い珈琲だと
琥珀色の大地によって削り出された鉱物の美しさ
苦甘がただ、口の中をぐるんと大きく蛇のような偉大さをもって
威張り散らさずに這っていって
あとにはただ、その存在感が舌の上に残るだけ

深煎りコーヒーがなにをもって完成とするかは百家争鳴百花繚乱のことかと想像できますが
この猿楽珈琲「にがめの珈琲(キューバ)」は苦味と甘味が本当に完全に一体となっていた完成度が、本当にすごいんです。
今まで飲んだ深煎りコーヒーのなかでも、断然に飛び抜けた一体感でした。
この一体感をもって、ここでは完成度としています。
決して優しくないし柔らかくないのですが、しかし尖ってもいないし丸くもない
苦くて甘くて一体となっている深煎りコーヒー
すごい!猿楽珈琲さんはここまでの深煎りコーヒーに至ったんだ!と飲んだ瞬間に感動を覚えました。
今、豆を分けていただいて自分でも入れて飲みながら書いていますが
はい、この味です。苦味と甘味のバランスが本当に至高のバランスで一体となっている
洗練された味わい、という修飾が似合う綺羅びやかで飲みやすい透明感のあるようなコーヒーの味ではないのですが
洗練された技術によって至った至高の深煎りコーヒー、苦甘い珈琲でした。

※二十三番地珈琲は私にとっては苦味の方が比率が高めに感じられたり、猿楽珈琲さんのコーヒー全部大好き!というわけではないのですが、今回の「にがめの珈琲(キューバ)」は今まで飲んだ深煎りコーヒーのなかでも、屈指の一体感で本当にすごい完成度、もう深煎りコーヒーとして完璧なんじゃないかとい感動して、これは絶対に自分への記憶として残しておくのですが
こんな誰も読まない珈琲の記事ですが、今もしかしたら猿楽珈琲さんは一つの完成の域に円熟期にあるのでは!?と思ったので珈琲好きは迷わず行ってほしい。深煎りコーヒーが好きというなら迷わずに行って飲むべきです。

猿楽さんが、どこを深煎りの到達点としているかは分からないです、おそらくもしかしなくても二十三番地がそれにあたるのかもしれませんが、私にとってはこの「にがめ」は今まで飲んだ猿楽珈琲さんの中でも、色々な深煎りコーヒーのなかでも抜群の文字通り頭一つ抜けた一体感がありました。
大坊やバンカムツルに帰山人さんとも異なる完成度というか洗練された身体化された知性としての珈琲の苦甘いというか、とにかく本当に凄いなと私を揺さぶる珈琲の味でした

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