10p10fp展
浅草橋の「写真企画室ホトリ」 で開催されていた『10p10fp展』。
最終日に滑り込みでお邪魔してきた。
fpはSIGMAが販売するフルサイズミラーレスカメラ。
SIGMAと言えばFoveon。
Foveon教徒の信仰心は厚く、フルサイズFoveonという奇跡を待ち望んでやまない。
fpはFoveonではなくベイヤーセンサー搭載機だけど、SIGMAのカメラを使う人は(他メーカーの愛好家とは)どこか違う感性をお持ちの方が多いんだろうなと思っていた。実際のところ個性の塊みたいな人だらけだった。
総武線の浅草橋駅で下車してしばらく歩く。
遠目から見ても「あそこが会場だな」とすぐに分かる異質な空間があった。
展示してある写真は額装も含めて素晴らしいものだった。
fpは個性が無いことが個性みたいなものだから、撮り手の個性が直接写真に現れる。
鯉、直線、猫、星、人、花、肉・・・たぶん個性。
来場者の殆どがfpを持っていた。自分以外で生のfpユーザーを見たのは初めてだったので(それも沢山!)、色々なカスタマイズを見ることができたのは面白かった。
そして会話の端々からfp愛が溢れている。
僕はニワカなので持っていたfpも純正のノーカスタム+24mm f3.5 DG DNという至ってオーソドックスな構成だったんだけど、 仮にベローズをつけたHectorをビソフレックスを挟んでMマウント化して、それをマウントアダプタを介してfpに着けて行っても違和感なく溶け込めそうな雰囲気だった。
分解されたfp。
見た目だけじゃなく部品もシンプル。
背面ホイールよ、お前がもう少ししっかりしていれば。
作者の方も多数在廊されていてお話しすることもできた。
fp愛が強すぎて圧倒されたけど。
fpのカスタムパーツ制作でも有名なTakumaさんのfpL。
FF Classic Prime Line 65mm 蓄光カスタムが生えている。
恐れ多くもお借りして試し撮りをさせてもらったんだけど、これは凄い。
これがシネレンズか。開放で撮った時の立体感が異次元だった。ボケは大きいけれどコントラストが低いから写りがくどくない。開放での上品なフレアと絞った時の綺麗なゴースト。
どうしてこれをfpに着けようと思ったんだろう。肝心なところを聞き忘れてしまった。SIGMAのレンズだからかな?
fpはシンプルなカメラだ。
取り敢えず写真と動画が撮れる最低限の機能がある。
そして可能な限りコンパクトに作られている。
どういう写真を撮りたいのか、どういう風に撮りたいのか、使い手に委ねられている部分が多い。
これを不便と感じるか自由と感じるか。
fpは持つ人を選ぶカメラ、そして、持つ人が選ぶカメラだ。
そんなfpを持つべくして持った人たちが集まった10p10fp展。
ユニークなコンセプトとユニークな作者、そしてユニークなゲストで構成された素敵な展示だった。
帰り道、ちょっと写欲が高まった感がある10月最後の日曜日。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?