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2020

2020年は自分にとってどんな1年だったのか考えてみた。

よく歳を重ねるごとに1年が短く感じるようになると言われるが、今までの人生で最も長く感じたような気がする。色々なことがありすぎて、どこからが2020年からなのかがわかっていないことが大きな理由であると思う。何してたっけ。

1月、思い出せない。

2月、記憶がない。

3月、マスク生活前までは色々なところに行ったような気がする。

イギリス、北海道、四国一周、特にイギリスは面白かった。自由時間に1人で地下鉄に乗って、ノッティングヒルの恋人、キングスマンの撮影地巡りをした。ビックベンは工事中だった。フィッシュ&チップスは量が多すぎて食べきれなかったし、ビールはとても美味しかった。背伸びしてウイスキーを頼んだら「チャレンジだね〜」と笑われた。渡英してお寿司屋さんをしている日本の方と仲良くなった。色々な人がいて、様々な感情を向けられた。英語が飛び交う中をふらふらと動くのは自分が何者でもないような感覚がして、なぜだか面白くて仕方がなかった。幸運なことに他の国にも行く機会が過去にあったけれどまた行きたい、むしろ住んでみたいと思った国はイギリスが初めてだった。

4月、専攻の大枠が決まった。自分の希望通りだったので舞い上がった。

5月、記憶がない。オンライン生活に慣れる。

6・7月、上に同じ。オンライン生活に飽き始める。

8月、「このままでは腐る、何かやらなきゃ」と思い、2019年の自分なら絶対にやらなさそうな約2ヶ月のオンラインイベントに参加してみた。折り返し地点までは案の定しんどくて、いつ逃げ出そうかずっと考えていた。今までの経験から中心的な存在になることは向いていないことを嫌というほど学んでいたので端の方で自己嫌悪に陥っていたような気がする。

9月、割と自己嫌悪でぼろぼろだった自分を気にかけてくださった運営(オンラインイベント)の方のおかげで自分にできることを探し始める。想像の何倍もポンコツであることを自覚する。自分を見てくれた人がいたことを知る。とても驚いた。

10月、外に出る。様々な人に出会ったことで未来について考え始める。

11月、転居。

12月、北陸を車で横断してみる。偶然同じ場所に居合わせた人とお話しする。人見知りの自分からは想像できないことだったので驚く。だし巻き卵と香箱ガニの美味しさを知る。ひとりが落ち着くことを改めて感じる。オンライン生活再開を知り、モチベーションが下りに下がったことから、外に出ることの重要さを痛感する。

なお、転居後の片付けは今現在も終わっていない。

3・8・9・12月の印象が強すぎたのか、他の月の記憶がなさすぎるのか、両方か、カレンダーを見なければ思い出せないレベルである。過去の記憶がないのは2020年に限ったことではなく、自分の中であまり覚えていないというか、覚えていたくないことだからだろう。昔から「あの頃はこうだった」に囚われやすく、今を生きている実感がわかなかったので勝手に身についた(完全消去ではないけれど)デリート機能のようなものだ。

ああそうだ、初めて知ることやもの、驚くことが多い1年だった。自分の内外問わず、問いを投げかけることも増えた。

今までは自分の中では好きと嫌い、興味のあるものないものがはっきりしていると思っていたけれどそうではなかった。自分が苦手(嫌い)だと思っていたものに向き合うことが多かった。自分から向き合った時もあれば、向き合わざるを得ない時もあった。向き合ってみると面白く思えることも多々あったりした。

人との関わり方について考えるようになった。意外と人は人を見ている。様々な人と会い、時に話すことで色んな角度から物事を考えるようになった。

社会(組織)で生き抜くことの大変さを垣間見たと同時に、独自の処世術を作りあげていこうと思った。思考して試行して、少しずつ見えてきたような気がしなくもない。

自分と向き合う時間が増えた。これからどう生きていきたいのか、今の自分に何が最適か、どんな感情を抱いているのか、なぜその感情になったのか等々、自分の中に複数の自分がいて、自分に関する会議を開く。それらを傍観する自分がいて、面白がる自分がいることを知った。(これをうまく言語化できたのは2021年だけれど)

人の生涯の中で節目のひとつである年だったが、自分の中ではあまり重要ではなく、生活様式の変化が与えた影響の方が良くも悪くも大きかったようだ。

変えられるのは自分と自分を取り巻く体感半径1mの環境のみである。世の流れになんとなく従いつつも、置かれた場所で咲くしかない。置かれる場所を選べるのなら本望だが、置かれたのなら自分が自分でいられるような咲き方をしたい。ここで疑問をひとつ、自分が自分でいられるような咲き方って何だろう。

#2020年 #とは


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