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視力0.1の夜空に星は光るか

こんばんわ、海太郎です。

なるべく毎日書くと言ってはじめたnoteも今日で12日目。ぼくはシサン12よりもサンシ12派だったな、なんてことをふと思い出しました。掛け算の話です。

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「楽なものはお好きですか?」
「大好きです。今度は嘘じゃないっす。」

この元ネタってわかる人は何人いるんでしょう。

答えは特に隠すものでもないので言ってしまうと、かの有名なバスケットマンガ『スラムダンク』です。読んだことないよって人には胸ぐら掴んで唾をいっぱい出しながら大声でオススメします。読んだ方がいいです!!!!!!!!めちゃ面白いです!!!!!!!ペッペッ

今の時代に完全にアウトなオススメでしたね。ソシャDを大事にしなくてはなりません。(ソーシャルディスタンス)

話を戻します。

ここ最近、「楽なもの」の台頭が凄まじいなと個人的に感じています。

当たり前です。そこに不便があるから便利な「楽なもの」が生まれて、それをみんなが使うようになります。それを進歩と呼んでいるんだと思います。

便利で楽、大好きです。コードがない掃除機使いやすい。スマホ使いやすい。おサイフケータイ最高です。ワイヤレスのイヤホン、煩わしくなくていいですよね。

こんな感じで邪魔だなって感じるものや作業工程はどんどんなくなっていきます。それはこれからも止まらないでしょう。

昨日は例によって友人とzoomで話していたんですが、これなんでskypeじゃなくなったんだろうって話になりました。それは多分skypeはアプリが必要、ログイン及びIDが必要、フレンド登録が必要って結構それなりに手間がかかるからなんじゃないかと言う話になりました。zoomはURLさえ発行しちゃえばそれでしまいですもんね。

Skypeも、実は今はすぐできるように整備されたらしいんですけど、もう遅かったかもですね。もうみんながzoomに慣れてしまったのでそっからの鞍替えはやっぱり“面倒臭い”んです。

どんどん面倒臭いものがなくなってきた世の中で難解なもの、工程数が多いものは好まれなくなっています。それはまた作品も然りなんじゃないかと思います。

日々流れるTwitterのタイムライン、呼んだ方がいいとされるweb記事、簡単に読める一コママンガ。すべてのコンテンツに対して目を通す時間は本当に数秒です。これはぼく自身にとってもそうである話です。情報が煩雑化して、みんなが忙しくなってますよね、確実に。

だからいまここで約860字書いているわけですが、ここまで目を通してくれる読者の方は稀有なわけです。(ありがとうございます。)

ここまで読んでくれた方にはぼくの好きな画家のソローリャの絵を紹介です。スペインの印象派の方なんですが、とっても素敵です。

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そして感情もシンプルなもの、わかりやすいもの、つまり摂取しやすいものが好まれているように感じます。「おくすり飲めたね」みたいな感じですね。

そこにある複雑な感情、言葉にできないこのどろっとした何かというものよりも、「はい、これは喜び。これは怒り、悲しみ、楽しみ」みたいにすごく喉越しのいいものが流行りやすい世の中になってきたなと思います。

これ勘違いしないで欲しいんですが、いい悪いの話ではなくて、そうなってるなという話です。そこを一旦踏まえてもらった上でもう少しだけ続けます。

今、このわかりやすさが生み出しているのは受動性だと思います。基本的にぼくたちは受け取る側になっている。なにかこう自分から解釈を追うようなことを作品に対して行わない。でも、それだけじゃやっぱり物足りないんです。

ずっと口を開けてるとそこに美味しいものが入ってくるのは嬉しくはあるんですが、それが続くとどこかつまらない。そこで生まれたのが、「参加」です。

インスタやTikTokなどの自分がコンテンツに参加していくスタイルこれが今の流行りになっています。星野源の「おうち時間」とかもこれに当たると思います。みるのもやるのも楽しくてぼくも好きです。実際は恥ずかしくて手は出せていませんが。

しかし、旧来の受け手に能動を求める作品群は、なかなか悲惨なことになってるなと感じます。

アマゾンのレビューとかを徘徊していると展開やわかりやすさに重きをみんなが置いているので、感情のどろっとしたわからない何かを描いている作品は大体星の数が少ないです。視力0.1の人の夜空になっています。

でもそれはちょっともったいなくないかなってぼくは思うんですよね。

「参加」ではない形でちょっと時間と手間をかけて能動的に作品を摂取するとそれはそれで楽しい世界が広がってるなとぼくは思っているので、わかりにくいだけの評価で作品の夜空を何も見えない真っ暗なものにして欲しくないなってそんなことを思います。

食べれなかった野菜もじつはよく噛んでみると美味しいということがないこともありません。

こんなに時間が与えられた今ですから、暗闇に目を凝らしてみませんか。みたことのない光に出会えたりするチャンスもあるかもって自分に思って、読んでくれている人にも語りかけてみます。ツバは画面には飛んじゃいました。


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