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正直、目を背けていたいというテーマは絶対にあるもので

こんばんは、海太郎です。

なるべく毎日書くといったnoteも25日目。

水泳をずっとやっていたぼくからすると25は親しんだ数字です。

いわゆる国際大会で使われるプールは片道50メートルなんですが、中学生くらいまでの試合は9割が25mプールなんです。25mを短水路、50mを長水路と水泳界隈では呼びます。

とまぁ基本的に役に立つ場面がないであろう豆知識でした。

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先日友人からのオススメで「バビロン」というアニメをAmazonプライムで一気にみました。

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この作品調べると、必ず出てくるフレーズが衝撃作ついにアニメ化!!という文言です。友人からはあらすじもきかされず、「とにかくみてみて!」と言われたので、何も知らないぼくは完全にパンドラの箱を開ける気持ちでみました。

開けてみますとですね、これ、驚くほどに「絶望」しか入ってなかった。まさにパンドラの箱でした。一応パンドラの箱は最後には希望が入ってるらしんですけどね。こっちはなんて言えばいいかわからないです。

先に注意というかなんというかなんですが、このコロナ禍で正直参ってるよっていう人はみない方がいいと思います。ゆとりのようなものが自分にない状態で見ると、多分持ってかれます。

このアニメ、Amazonレビューも爆発的に悪いんですが、ぼく個人としては駄作とは全く思いませんでした。というか興味深いなと思って最後まで一気にみてしまいました。

あらすじとしては、日本が舞台で、世界初の自殺をいいもの、個人の自由でできるものとする自殺法というものが制定されてしまうか?というオープニングから始まり、ずっと自殺は善いことか悪いことか、をテーマに物語が進行していくお話です。

正直、こういう話は自分の感想とかは書かない方がいいかなとも思うんですが、作品から逃げるような気がするのであえて書きます。これ以上はって方はここで読むのをやめてくださった方がいいように思います。

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自殺というと、安楽死というテーマが出てきたり、誰かのために身を捧げたりすることが必然話題として上がります。

手塚治虫のブッダにおいても、ウサギが死にかけの老人のために焚き火に自身の身を焼べるシーンがあったりします。老人はその姿に感動して一つの真理を見つけたりするのですが、それはまたどこかで。

国語の教科書で一度は読んだことがある森鴎外の「高瀬舟」でも安楽死はテーマになります。こちらは事象としては自殺ではないかもしれませんが、精神的自殺と言ってもいいのかもしれません。

そんな壮大なテーマ考えるの?っていうスケールの大きな問題を、アニメでちゃんと結論出すんですかってみてる側は不安になってしまうんですが、ぼく個人としては、なるほど、たしかにそう言えるのかもしれないなと納得しました。

作中で導き出されるその基準点に立てば、もしかして全てが説明がつくかもしれないなと思って感動すらしました。

また、ただ自殺っていいの?悪いの?っていうお説教的な内容というわけではなく、サスペンスものとして続きが気になる設計が見事になされている、かつ、そういったテーマをしっかり描いていることがすごいなと思いました。

一時期流行ったマイケルサンデルのこれからの正義の話をしようという本があります。ここで取り上げられるトロッコ問題という倫理問題があるのですが、これにいかなる回答を出せるのかが、ぼくにはずっとわかりませんでした。今も正直わかりませんが。

※トロッコ問題

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暴走したトロッコはもう止まりません。あなたは手元のレバーをどちらかに倒して、5人を殺すか、1人を殺すかを選ばなくてはならない。どうしますか。

超ざっくりいうとこんな感じの倫理問題です。例えば、線路の先にいる“1人”が親族だったら答えは変わりますか、この状況下だったら何が善いことになりますか、ということを考える話になります。残酷な話です。

このトロッコ問題がすごく物語の答えを導き出すに当たって結構キーになったりするんですが、なるほど、そう考えるのかと自分には全くなかった考えだったので驚きました。

正直この作品をみたから自殺ってどうしてもダメだとも、いいものだとも、一概には言えないですし、ぼくにも答えは出なく、釈然としない感じになりました。

ただ、普段考えようにもなんとなく目を背けてしまいたくなるテーマと一度向き合う機会をくれるという意味でとても意義がありました。

加えて、一気に見たいサスペンスものとして素敵な作品だったと思います。

作家の方もアニメの製作陣もすごく真摯にこのテーマに向き合ったのだと思います。そこに対するおざなり感は全くなかったと思います

だから、そんなに駄作だと叩かないで欲しいなと個人的には思いました。






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