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待ちわびた平穏な土曜日

土曜日です。今週は仕事に追われていて、まだやることあるけど…と後ろめたい気持ちを抱えたまま迎えた週末。

寝る直前も、目が覚めた後も、考えてしまうのは不完全燃焼だった仕事のこと。

月曜日にこのメール返さなくちゃ、上司にあれ伝えてないなとか、ごちゃごちゃと考えてしまって、せっかくの予定がない土曜日が台無しだ。

繁忙期と緊急事態宣言下のストレスリリーフは難しい。仕事と家のみを往復する毎日だし残業もしてるから、週末のリラックスモードに即座に切り替えることができない。

ベッドの中でyoutubeを見たりpodcastを聞いたりして、お昼前にようやく起床。美味しいコーヒーが飲みたい気分だった。(普段は紅茶派)

朝食らしい食べ物は何も準備していなかったけれど、カルディーの冷凍シナモンロールのことを思い出した。どうしても食べたくなった時のためにと冷凍庫の奥に隠しておいた過去の自分に感謝のハイタッチをしたかった。コーヒーをドリップしたら、お洒落な朝食の準備完了。Siriには「土曜日の朝にぴったりなジャズを流して」とリクエストした。(しばらくしたら飽きてNetflix観てたけど)

本日の天気は快晴。気温もまぁまぁ高く、コートを着ずに外出できそうだ。青空を確認するなり、今日は海へ行こうと決めた。

部屋の掃除を済ませ、メイクもした。日焼け止めも塗った。だけど準備ができた途端に萎えてしまう、外出へのやる気。なんでだろうね、準備できたのに腰が重くなるあの感じ。

だけど、ワクワクすることや新しい発見は、外へ出ていかないことには出会えないことを私は知っている。えいやっと家を出て、まずはワイン屋さんに行った。

お昼に観ていたNetflixのドラマ、Emily in Parisで、女の子3人がワインを飲みながらガールズトークをしているシーンがあるんだけど、すごく可愛くてキラキラしてて、「良いなぁコロナがなかったらこういう土曜日を過ごしていたかもなぁ」と、少し寂しくなった。そして、お洒落な服を着たりリップを塗ったりして、ガールズナイトアウトはできないかもしれないけど、ワインは飲める!と思ったから、今夜は家でワインを飲むと決めた。

初めて行く近所のワイン屋さん。私以外の客はおらず、入店するとすぐにオーナーさんが「今日はどのようなワインを?」と聞いてくれた。

「特にこだわりはないけれど、海外ドラマを観ていたらワインが飲みたくなったんです。何か面白いワインはありますか?これはぜひ飲んで欲しい!と思っているもの。甘すぎず辛すぎず、フルーティーな香りがするものが好きです。」という、ちょっとめんどくさいリクエストをすると、オーナーさんがスッキリした白ワインをいくつか紹介してくれた。

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1つはビオワイン。もう1つはオレンジワインに興味をそそられ購入。合わせて食べたいチーズと、コルクオープナーも追加したら、予算を超えてしまった。でも、たまには良いよね。(と自分に言い聞かせるけど、稀なことではない。予算を忠実に守ることは私の今年取り組むべき課題です)


予定がない土曜日はいつぶりだろう。ここ半年くらい、すごく忙しかった。いつも行く場所ややるべき事があって、スケジュールの合間に家に帰ると、再び外に出ることが億劫とかめんどくさいとか、そんなレベルを超えてしまって、なんだか怖くなって泣いてしまった日もあった。そのくらい自分を追い詰めてしまうライフスタイルだった。

ワイン屋さんがある町を離れて、海沿いをずーっと運転して、サンセットが綺麗に見えると人気のビーチへ。日没まで後10分。間に合った。

マスクを突き抜けて香る潮風。耳触りの良い波の音。真っ赤に燃えるガラス玉のような夕陽。安心する。

私は心身共に疲れて、燃え尽きてしまっていたらしい。仕事に集中したいし今は緊急事態宣言下だから、と言っていろんな事をお休みすることにしたのは2週間前のこと。疲れ果てた夜に洗濯物を部屋干ししながら、泣き崩れてしまった時に、自分が限界に達したのだと気付いた。

緊急事態宣言が解除されて、仕事の繁忙期が過ぎたら、またプライベートの忙しさが戻ってくる。次はもっと上手にやっていけるかな、と思いつつ、まだリカバリーできていない自分をいまは大切にしなくては、とも考える。

きっと私は、この半年間、今日みたいな平穏な土曜日をずっと待っていた。高速道路でどこか遠くへ行く予定も、溜まってしまった家事やペーパーワークを片付けなくちゃという焦りもない土曜日を。

自分を愛してケアする責任は自分自身にある。「もっと頑張れるはず」とムチを打って自分を鼓舞するのも良いけれど、心と身体のバランスを整えることはもっと大切。わかってたはずなのにな。

家にあるものでワインに合う夜ご飯をパパッと作ったら、親友から電話がかかってきた。

お洒落な服も鮮やかなリップもないけれど、親友とワインを飲みながらガールズトークができたのは、きっと神様からの「お疲れ様」のプレゼント。

明日も平穏な日曜日となりますように。


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