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アホみたいなものの考え方に気づくためのチェックポイント

暑くて諸々我慢できなくなったか知らないのですが、生産性云々とか「女性漫画家は本当に面白い作品は描けないじゃないですか」論とか、あとは東京医科大の点数操作とか、「そんなことよくできたな/言えたな」という差別意識とか、アホみたいな考え方がどんどん膿のように出てきていますね。

上に挙げたような発言とか思考は、フラットに見れば明らかにおかしいのでよく話題になりますが(明らかにおかしい問題がここまで放置されてきたのは、それはそれで問題なのですが)、「こんなこと自分は言わない/考えないよ」って思ったりしてませんか?

そんなことないですよ?

特に悪いことをしているわけでもない(と思っている)自分たちも、きっとどこかで誰かを貶めたり、バカにしたり、笑ったりしているかもしれません。
いや、きっとあるはずです。自分たちが気付けていないだけです。

個人的に「これって考え方がおかしいんじゃないかな」って考えるときに気をつけているチェックポイントを3点まとめてみることにしました。
他の人はどんな風に考えてるのかも気になりますが、あくまで自分にとってのポイントということで。
以下のように考えると、「おっとこれは変な考え方かも」と思って、自分の変な思考のクセを減衰させられるかもしれません。


1.レッテルを具体物に置き換えて考える

「○○って××じゃない?」と、なんらかの集団をカテゴライズするときに生じる差別意識はだいたいこれで取り除けます。
冒頭の例でいうと「女性漫画家って本当に面白い作品は描けないじゃないですか」のパターンがそう。
Twitterを見ていると、各々が尊敬する女性漫画家の名前を当てはめて憤慨していますね。
というふうに、「○○って」というレッテルを具体物に分解すると、自分がいかに愚かなことを考えているかが浮き彫りになる場合が多いです。

※ちなみに「××じゃないですか」の方に具体物を当てはめても簡単にチェックができます。「本当に面白い作品」ってまず何やねんという話です。人によって定義が違いすぎて、方程式がどうやっても成立しない。主観的で身勝手な考え方である可能性がある、ということです。


2.前提が間違ってないか改めて確認する

こっちは「女性医師が増えると医療が崩壊する」論とかに対して有効ですね。
法とか慣例とか社会通念とか、「今までもなんとなくそうだったけど、それって本当に正しいんだろうか?」と疑ってかかることは何かを批判する上でとても重要です。
東京医科大の得点操作の話でいうと、本来入学できた学力の高い生徒が落とされてその下の生徒が合格になってるんですから、期待される医師のクオリティはその分下がるわけです。
それこそ全体にとって甚大な悪影響なのでは、などと考えると、やっぱり得点操作はどうあっても許されないよね、という思考ができるようになると思います。


3.自分の人生の中から主張の根拠を引っ張り出そうとしていないか確認する

これが一番大事だと思うんですが、長く生きたり何かに詳しくなったと思えば思うほど、これに引っかかりやすくなります。
端的にいうと「俺が若い頃は」と枕詞につけるおっさんの言葉が全て当てはまります。
サンプル数が自分自身にしかないうえで語られる意見は、アホみたいな超理論に飛躍してしまう可能性があります。
「自分はこうだったから相手もこう」「親の世代がこうだったから子供もこう」とか、相手の立場や時代背景を更新しないで語る意見はクソの極みだし、自分が価値観を更新できていない、見識のない人間でたることを喧伝しているようなものです。ゴミ箱に捨てましょう。よく燃えます。


結局3.の観点が全てを包括しているのですが、「世界には自分の経験したことのないことや人が無限に存在していて、自分の知らないことが無限にある」ということがわかってない人は、だいたい自分の認識外にある人をこき下ろしたり、傷つけたり恐ろしい存在として避けたり、嫌悪したりします。
自分の人生は自分にとって貴重なものですが、自分の周囲から得られる情報量は限られています。
自分が世界に対して無知であると常に思い続けて、他人の人生を一つひとつ知り、未知のことを受け入れられる人だけが、健全な思考を保つことができるのだと思います。

ニュースを見て話題になっている人や物事について考えること、良質な物語(本でもマンガでもアニメでも映画でもなんでも構わない)に出会って「どこかにいるかもしれない他人」の人生を自分の中にとりいれること、が処方箋になると思うのですが、常にやり続けておかないとあっという間に置いてかれるので、ちょっと大変です。
でも、新しいことを知って、知らなかった人の人生を知って、自分を組み替えながら歩んでいくことが、「生きていく」ことなんだと思っていますし、最高に楽しいことなのだと思っています。

一週間ほどnoteを書けていなかったのでつい長話になってしまった…。
今月も出来る限り毎日に近いペースで、コツコツ更新していこうと思います。

#毎日note #8月の毎日note #エッセイ #コラム

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