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人は皆、才能のカタマリだ


才能とは個性のことだ

周囲の世の中を見渡してみると、才能はあるのに無念にも(?)、何らかの事情で世に出られない人がたくさんいることに気付く。

(ここで『無念にも』の後に疑問符を打ったのには理由がある。側から見たら無念だろうなと思うことも、勿体無いなと思うことも、本人がそう認識していなければ痛くもかゆくもないのである。「幸せはいつも自分の心が決める」と昔の偉い人が言ったことを思い出す)

さてそれはさておき、最近は才能を世に送り出さなければ勿体無いと思われている傾向があるように思う。情報化社会も円熟期に入り、自分を表現できる手段が極めて多様化した現在では、人がそう思うのも自然なことなのかも知れない。

だけど僕は、ヒトがそれぞれ互いに異なっているということ、つまり個性みたいなものが、そのまま才能なんだと思っている。
たとえば僕があなたになろうとどんなに頑張っても、あなたにはなれない。その逆も然りだ。だから本来はそこには大小や優劣の概念はないのだろう。

いわゆる『才能や能力のある』人について

世に出た人は、その個性が偶然、多くの人に認められた幸運な人だと言えるかも知れない。だからそうなるためには、多くの人たちや、すでに有力な誰かの共感を得る必要がある。

それには何か特別な分野で卓越した能力を得て出世コースに乗ったり、何かの賞を取って一山当てることなんかが考えられる。

だけどその手の分野の才能や能力がないから世に出られないと嘆いている人も、嘆く必要はないのではないか。幸いにもヒトは自分の個性をある程度は変える能力と自由を持っている。

今の自分に才能がないと思うのなら、何か一つのことに打ち込み続けてみればいい。そうすればいずれそれが自分の個性になるし、世に出る能力にもなりうる。

個性を伸ばすという言葉は、伸ばすと言うより人に認めてもらえるように、ある一つのことに個性をカスタマイズすると言う方が当たっていると思う。そして能力とは、世に出るために充分にカスタマイズされた個性なのかもしれない。

立身出世と肯定感との葛藤

世に出るためだけ、人に認めてもらうためだけに一つのことに努力するのは何か間違ってる気がしないでもない。確かにそれは『今の自分を認める、肯定する』という今風の考えから見ればそうだろう。

人に認められなくても、自分で自分を認めてあげられていればそれはそれで幸せだし、満足もある。実のところ僕もそう言うスタイルで最近は過ごしている。

だから世に出られなくても不満はない。僕はその手の野望は大きく燃やさず、ただ「世に出ることに繋がったらいいな」という漠然とした希望をかたわらに、好きな本を読んだり勉強したりしている。

個性を伸ばすことは認められることに繋がるのではないか

立身出世を目指す人は上の僕のやり方では難しいかも知れない。そう言う人は、例えば僕がやっているような広範囲の趣味の勉強は、何か難しくて役に立つ資格の勉強などに向けた方がいいだろう。
要するにとにかく自分の個性を何かの分野にカスタマイズする必要がある。

そしてそうしたい人は、例えばnoteでは僕のように色々な分野のことを雑多に書くより、何かこれと決めた一つの分野についてひたすら書き綴っていく方がいいだろう。

最近は二刀流という言葉が流行っているが、多分ああいう複数の分野で才能を花開かせることは僕も含めて大抵の人はできない。人は普通は一つの個性しか持てないから。そこで何か一つに絞る。

僕自身はというと、世に出る能力はとりわけ欲しいとは思わないけど個性は欲しい。だから今の僕のようにバラバラなことをしていてはなかなか個性的な何かは得られないのかも知れない。

バラバラなことが個性だよと言ってくれる優しい人もいる。それは嬉しいけれども、僕自身が満足でないところがある。何か一つ、あるいは一つが難しければやることを少し減らしてみる転回点にきているような気がする。

人に認めてもらうことと、自分に満足することにはおそらく相関があるだろう。だから今やっていることを、何か明確な少数の趣味に絞ってもいいのかもしれない。

『T字型人間』に答えを見出せそうだ

ところでT時型人間という言葉がある。これはTの字のように、横に幅広く知識や教養の帯を広げ、同時に個性の根を深く下ろしている人のことだ。

案外そこに答えがありそうだ。こうすれば色々やりたいという望みと、何か個性を身につけたいという望みを同時に叶えられるだろう。

一つのことを軸にして、幅広く色々なものを取り込もう。よし!そう決めた!
……さてその『一つのこと』を何にしようか?

色々書いてきたけど、僕自身まだまだ迷いの道の途上にいる。多分これを読んでいるあなたもそうだろう。違っていたら、ごめんなさい。
お互い、自分探しの旅を続けましょう。

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