青でも黄でもない

宇宙からみたそれは
青や黄に見えるそうだけれど
地の底から這い出たばかりのボクには
不毛な大地と疎らな人影色んな廃墟が見えた
シンプルな芸術ではなく愛憎入り乱れた現実がそこにあった

地獄に居た頃に聴こえた歌
カンダタを救う糸のようだ
そうだ
そうだった
罪の覚えなどないしきいてもしらんぷりだ
それでもその糸に心が救われたあ
糸は切れそれでもなお登ろうとした
色んな困難で遅くなってしまったけれど
やっと地上に戻ってくることができたのに
伝え聞いていた話と違って賑わいは失せ
みんな違う色を好いていた色とりどりさ

混ざりもせずマーブル模様に滞ってるようで
それが救いを求めて彷徨う亡者みたいで
何かに渇いてまだ満たされていないようで
ぎゃあぎゃあ泣いてる幼児の集合みたいで
わたしはとりあえず青被り隠れ蓑に
地獄の景色を歌えどみんなは興味がないみたいだ
諦め半分の希望を吐いていた

むかしむかしの英雄譚は
度を越して他人事で
彼らの持つ正しさと価値が
残酷な凶器に最早変わっているが
わたしはそれでも
まだ青を被り歌いたがった
この星の住人がそれを
許すかはさておきさ

青でも黄でもない大地で見渡したカラフルな卵たち
どうやらわたしは目立てないようだからきっと
あなた方の目にも止まらないよな
認識されずとも普遍に含まれてしまう様な
凡が愛憎入り乱れ
天を睨み青を被り歌うのさ
まとまりがないからダメな歌を
誰も救わないからダメな歌を

願いも真実も要らない
欲しいのは安らげる平穏状態
叶うも叶わないも最早度外
進むは残りのない終わり
希望も絶望もやっぱ要らない
日常はそんなに単純ではない
青も黄もやっぱ要らない
きみはきみであんたはあんた
ぼくはぼくでわたしはわたし
触発なんてされたくはないんだ

🔗　ユーチューブ版

🔗　ニコニコ動画版