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夜の出会い

23時頃、鼻歌ふんふん歌いながらご機嫌で自転車に乗っていた。

この時間にもなると辺りは静かだ。

心地のいい風が肌を撫でる。
夏の虫の合唱が、耳を優しく涼めていく。


畑道の真ん中に立つ街灯の下を通ると、沢山の虫たちが集会を開いていた。

(お願いだから顔にクリーンヒットしないでよ〜)
そう思いながら通っていると、目の端に黒いモゾモゾとした影が映った。

(……カブトムシ…!??)

そう思って確認すると、道の右端に大きなカブトムシがひっくり返って必死に脚をバタつかせている。

(ひっくり返ったまま力尽きて死んじゃう子もいるっていうよね…、この子、助けられるかな………。)

自転車を降りてそのカブトムシに駆け寄る。

(たしか、小さい方の角を持つんだっけか???)

幼少期の朧気な記憶を頼りに、恐る恐る持ち上げ、ひっくり返して、地面に戻す。

すると、さっきまでバタバタして必死に焦っていた様子が嘘かのように、落ち着いてゆっくりと歩みを進め始めるカブトムシ。

…かっ……かわいいっ…!!!

進路方向に手を差し伸べると、戸惑いもなく登ってきた。

手に伝わってくる足のチクチクした感覚が懐かしくて、ついつい笑が溢れてしまう。

腕の上の方に登って来そうになって慌てて逆の手で進行方向を遮る。手から落っこちそうになって手足をバタつかせる姿も愛おしい。

なんだオマエ可愛すぎるよォ!!!


…連れて帰ろうか?でもどうやって?

袋も何も持ってないし、連れて帰ったところで虫籠も家にないし…。
父と妹たち、特に父は喜ぶだろうけど、母は絶対に嫌がるだろうなぁ。
この子もこれだけ野生で大きくなれたんだから、窮屈な虫籠より野生でのびのびと過ごせた方が幸せなのかな…。
そう思い、木の近くに降ろしてお別れをした。

バイバイ!もうひっくり返るなよ!元気でな!!

…………………。


小さい頃家で飼っていたカブトムシを思い出して、懐かしくなって、とても愛おしかった。
虫に対してこんな感情を抱くなんて久しぶりだ。
素敵な感覚。


その日撮ったカブトムシの写真をこの後載せたいんだけど、というか載せるんだけど、虫が苦手な方はここで戻ってね!
カブトムシが見たい方達はこのまま下へドゾ〜🎶






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こんばんは〜!
可愛いぃぃ〜!
でっ、デッカぁ〜!!

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