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こんな体制、絶対無理!!・・・そう言っている人に社内SEの私が伝えたいこと

「こんな体制、絶対に無理だって!どうすんのこんなことしちゃって!!」

我が社でも人事異動が発表された。

かなり影響が広範囲に渡る人事異動だった。

その結果、確実に負担を強いられる人が何人もいた。

そのうちのひとりが発した、魂の叫びだ。


■ひたすら愚痴を聞く

だいたい負担を強いられる人というのは、ある部署のキーポイントとなる人だったり、以前投稿した”生き字引さん”だったり、要は仕事のできる人だ。

そして、その人達には一瞬にして見えているのだ、今後の展開が。

この人事異動により、”この人”がこの部署からいなくなっちゃったら、

〇この仕事はこうなってああなってしまう

〇あの仕事は自分にこんな影響を与えることになる

〇そもそも、この仕事は誰がやることになるんだ?この人とこの人は絶対にやってくれないから、結局自分がやることになるのか?

〇この仕事、この人にやってもらうにはどうすりゃいいんだろう?

・・・etc

優秀であるが故に様々なことに自分自身どんどん気づいていく。

そして、あっという間に自身を不安と苛立ちの境地へと誘うこととなる。

そういう人から声を掛けられ、愚痴が始まったら、社内SEである私がやることはただひとつ。

ひたすらその人の愚痴を聞くということ・・・それも思いっきり共感しながらだ。

そりゃ、そうだ・・・だってその優秀な人(生き字引さん)との信頼関係を構築する絶好の機会だ。

そのことを私は知っている。

だから愚痴が始まったらちゃんと聞く。

ただその愚痴を聞くにあたって、信頼関係を構築することの他に、もうひとつ考えていることがある。


■生き字引さんを辞めさせないため

それは、その生き字引さんが、真面目に本当に嫌になってしまって、会社を辞めてしまいやしないかということ・・・

そんな状況になったら、社内SEである私自身、頼り先がなくなってしまう。

そんな事態に陥ることだけは絶対に阻止しなければならない。

会社からどんな仕打ちを受けようが、低評価だろうが、現実的にその人がいなくなったら、み~んな困るのだ。

そして、会社という組織は得てして、

いなくなってから・・・

なくなってから・・・

取り返しのつかない状況になってから・・・

でしか、己の判断ミスを把握できないのだ・・・もう遅いのだ、手遅れなのだ。要は会社というのは、分かっていないのだ・・・その人の本当の価値というものを。

そして、会社は分かっていないが、私が知っていることがある。

それは・・・

生き字引さんがどんな状況に陥ろうと、最初の3か月さえ乗り切ってくれれば、その人はきっと自分の仕事を軌道に乗せ、いつの間にか淡々と毎日の業務を遂行してくれているということを。

これ、過去に何度も目撃している。

おいおい・・・こんな惨い状況に陥ったら、さすがの生き字引さんも今回は無理だろう・・・

と思っていたのに、3か月もしたら、いつの間にやら激変した職場環境に対応し、淡々と毎日の業務をこなしている。

要は、生き字引さんは優秀なのだ。

どんな変化が起こっても、自分なりに考え、工夫し、割と短時間で自分の仕事を軌道に乗せる術を知っているのだ。

生き字引さんが知らない(気付いていない)のは、職場環境が変化しても自分がそれに対応できる能力を持っていること、最初の3か月の苦しい期間さえ乗り切れば後は軌道に乗っているということ、この2点のみ。

だから私は、生き字引さんがどん底に突き落とされた時は、必ずフォローする。

〇あなたなら、最初の3か月さえ乗り切れば、きっとうまくやっています

〇その間、愚痴は何でも聞きます

〇あなたひとりで背負わないで、この機会に上手く仕事を分散しましょう

散々愚痴を聞いた後、言葉に出して伝えるようにしている。

10分、15分と愚痴を聞くこともあるが、先のことを考えたら、これくらいの時間、投資としては安いものだ。

ま~会社はこの愚痴聞きを仕事とは認めてくれないかもしれないが・・・

会社というのは、”人には感情がある”ということを、時として忘れる生き物なのだ。

だからこそ、社内SEである私は、そのことを忘れてはいけない。

人には感情というものがあって、どんな正論や綺麗ごとを並べたとしても、信頼関係がなければ動いてはくれないのだ。



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