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努力・友情・勝利が味わえ地理の勉強も捗る艦これの魅力とは

艦隊これくしょん(以下艦これ)というブラウザゲームをご存じだろうか。

提督(=プレイヤー。以下提督)が艦娘(=提督が指揮するキャラクター。以下艦娘)を率いて、深海棲艦という敵と戦い各海域(=ステージ)の制海権を取り戻すゲームだ。

艦娘が第二次世界大戦で奮闘した各国海軍の軍艦を擬人化したキャラクターであるため、男性提督が多いように思われがちだが、女性提督も多い。

2015年にアニメ第一期が放送され、2016年は劇場版が公開。2019年にはアニメ第二期の製作が発表されている。艦これに関連したJAZZコンサートやアイスショーも開催されるなど、メディアミックスやゲームとリアルが融合したイベントが展開されている人気コンテンツだ。二次創作も活発である。

私は2015年4月に着任(=プレイを開始)した提督だが、ネット上でもリアルでも提督仲間と励ましあい、情報共有をして攻略を進めてきた。その過程で私が得たものと艦これの素晴らしさについて語ろうと思う。

1. 努力・友情・勝利と一体感が味わえる

1-1. 艦これ攻略Wikiや提督の個人ブログに集合知が集まる

艦これは公式のチュートリアルが少々わかりづらい。そのため、操作方法が理解しづらくて多くの提督がプレイ開始直後から戸惑ってしまう。

そこで、艦これ攻略Wiki有志の提督が初心者向けに操作方法の解説をしており、公式が不親切だからこそ提督同士が助け合う文化が息づいている。

また、各海域の攻略情報や各艦娘のスペック・改装(=進化)に必要なレベル、各装備の情報なども艦これ攻略Wikiや有志の提督がまとめており、中には検証に何時間もかかるような情報も気前よく公開してくれる。

さらに素晴らしいのは、有志の提督が情報を公開したブログのコメント欄に別の提督たちが情報の補足や自らの攻略事例を書き込み共有することで、情報の精度が高まっていくところだ。これは非常に助かるし、私も貢献しようという気持ちになる。

2-2. イベント攻略情報を共有しともに勝利を目指す

艦これではおおよそ四半期ごとに期間限定海域の攻略を目指すイベントが開催される。提督たちはこれに向けて資材(=これがないと艦娘は出撃できない)調達や艦娘の練度向上(=レベルアップ)に余念がない。

さて、このイベントだが、艦これ公式は攻略のヒント(モデルとなった第二次世界大戦時の作戦や戦闘海域)をほのめかす程度なので、提督たちは試行錯誤を重ねて独自に艦娘の編成や装備の最適解を見つけなければならない。

そこで役立つのが歴戦の猛者(通称RTA勢)たちによる攻略情報である。彼らは有り余る資材と練度が極限まで高まった艦娘と充実した装備を引っ提げてイベント初日からほぼノーヒントで攻略に赴く。そして解放した海域(=クリアしたステージ)の情報をキャプチャー付きでブログやSNSで即日共有してくれる。

※私は「ぜかましねっと」というブログのお世話になっている。直近のイベントである「邀撃!ブイン防衛作戦」の攻略記事を見ると、その様子が伝わるだろう。

その情報をもとに他の提督たちが攻略に赴く。彼らの情報もRTA勢のブログコメント欄や自分のSNSなどで共有されていく。提督みんなで勝利を目指すのだ。

攻略やドロップ(=艦娘が仲間になる)を素直に喜び合い称える

イベントの全ての海域を解放(=全ステージクリア)した提督がいた場合、提督同士でその健闘を称え労いあう。特に、いわゆる縛りプレイをしている提督(特定の艦種縛りや実史の艦隊縛りなど、制限を課して攻略を目指す)がそれを成し得たときは大喝采で各提督がその栄誉と変態っぷりを称える。

また、仲間に加える方法がドロップ(敵を倒した時、艦娘が仲間に加わることがある。誰が加わるかはランダムで決まり、レアな艦娘ほど出現する確率が低い。)しかないレアな艦娘がおり、その艦娘を仲間にしたいならドロップするまで敵を倒し続けなければならない。

運が悪いと気の遠くなるような戦闘回数と時間がかかってめげそうになるが、提督同士で励ましあい、ドロップできた提督がいたらおめでとうと称え喜び合う。艦これの提督同士のこのような文化が素敵だと思う。

日本の地理や歴史に詳しくなる

大日本帝国海軍の鎮守府・警備府・泊地・基地

艦これのゲームサーバー(提督がゲームをプレイをするときにアクセスするコンピューターのこと)は実在した大日本帝国海軍の鎮守府・警備府・泊地・基地の名前がついている。

提督の所属を尋ねるときやアクセス過多で負荷がかかっているときにサーバーの名前をよく耳にするため、自然と興味が生まれて各サーバー名の鎮守府・警備府・泊地・基地があった場所をGoogleマップなどで検索する。

艦これのゲームサーバー一覧

その結果、楽しく日本の地理を学ぶことができるのだ。舞鶴鎮守府が京都府にあったとか、宿毛湾泊地は高知県にあり「すくもわんはくち」と読むとか、地理が苦手だった私でも調べれば調べるほど新たな発見があり興味が尽きない。

軍艦の名前の由来となった山岳や河川

大日本帝国海軍の軍艦の名前には、日本の山岳や河川に由来するものがあると艦これをはじめてから知った。各地方に満遍なく由来の山岳や河川が存在するので、それぞれをGoogleマップで見ているだけで自然と地理に詳しくなる。

具体例を挙げると「比叡山」が由来の比叡(戦艦/練習戦艦)や「利根川」が由来の利根(重巡洋艦)がいる。各艦の名前の由来を有志がこちらのサイトにまとめているので、興味があれば見てみてほしい。

日本の安全保障や国防に関心が生まれる

突然だが、この動画を見てほしい。艦これのアニメOP「海色(みいろ)」と海上自衛隊が日本の海を守る様子を収めた動画を組み合わせたMADである。

私たち戦後生まれの人間は、誰の何の仕業かはわからないがあえて近代の日本史自衛隊の役割について学校教育で触れないケースが多い。

艦これがきっかけで私は護衛艦にも興味を持った結果、それらについて調べ始めた。そして日本の安全保障や国防について自分の頭で考えるようになった。

自衛隊について様々な意見を持った人もいるだろうが、よく考えてほしい。様々な脅威から日本国民の生命と財産を日夜守っているのは誰か。特に昨今は海上で日本の平和が脅かされかけたニュースを耳にするが、それらから日本を守る役割を持った組織はどこか。

日本の安全保障や国防について理解を深め、選挙において正しい意思決定ができるようになったのは艦これがきっかけである。

なぜ人気コンテンツであり続けるのか

普段ゲームやアニメに関心を持たない方にも、艦これの魅力が伝わったのではないか。

昨今は艦これ以外にも無機物(刀など)を擬人化したゲームがあり、アズールレーンのように「軍艦の擬人化」という根幹が似ているものもある。それでも艦これが人気コンテンツとして支持され続けている理由は何か。

それが知りたいのなら、まずは提督として新規着任することをおすすめする(方法はこのサイトに書かれている)。

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