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創業6年、千葉に1500平米越えの発送センターを作ったはなし(後篇)

前篇はこちらより

こんにちは、トラーナのしだのりです。
玩具のサブスクリプション・レンタルサービスの「トイサブ!」を運営しています。
今回は「千葉第三センターを作ったはなし」後篇です。前篇を見ていただいた方からは、「物理的なオペレーションが関連すると大変な部分もあるけど楽しそうだね!」と言っていただいてました。

ここから急に内部的な話になるので、ですます調をやめます。前編と違うトーンをお楽しみいただければと。

TL;DR
オペレーションを愛してやまないプロフェッショナルやトラーナファンの方に、センター増設の過程を公開することでサービスの今後やオペレーションへの思い入れが伝わればいいなと思います!

もくじ
発送センターと現場に馳せる思い(前篇) 
・「そろそろ検討はじめましょうか」から「千葉が一番私達っぽいのでは」まで(後篇)
・振り返りとこれから(後篇)


「そろそろ検討はじめましょうか」から「千葉が一番私達っぽいのでは」まで

今回の第三拠点の選定は、弊社のスーパーオペレーション統括責任者の白鳥わかこさんから、「いっつもギリギリで動き出すから早めに検討しますか?」というお声がけが2020年10月ころにあったことがきっかけになった。
先述の通り、インソースでやりきる気持ちがあるので、当然物件も自社で選定、採用も自社で採用を前提としていた。元々事業計画で2021年3月頃にセンター増設という予定を立てており、年明けで良いのでは~と思っていた自分と比べると、将来を見越して動いてくれるなと思った。
そんなわかこさんの声かけに「かしこまりました!」と回答して、自分とわかこさんの「第三センター検討」のSlackチャネルが出来上がった。二人しかいないチャネルでなんだか不思議な感覚だった。自分はまず大きな方向性として、3つの物件種別で見たいと思っていた。①オフィス物件 ②店舗物件 ③流通物件 この3種類。さらに条件として①採用力があるエリアなのか ②トラックパースがあるか ③初期費用を限りなく小さく出来るか この3つも加えた。コスパのいい坪単価に並々ならないこだわりを持っている自分としては坪単価も攻めたい、とわかこさんに伝えた。

お互いに色んな仲介業者さんとやりとりし、現場が大好きな自分は長野や山梨にも足を運んで物件を見ていった。夜になったら流通センターや流通団地を外から見に行き、ヤマトさんのベース拠点との距離やベース拠点の開閉時間を調べた。(物流と、何往復・何時に出来るかはサプライチェーンのスループット向上に重要である)
自分は主に店舗物件を見ていた。店舗物件は従業員向け駐車場、トラックパース、エアコン等の設備の観点で優位だと思っていた。わかこさんは主にオフィス物件を見て、意識していなかったが恐らく「そちらがこの領域なら私はここを」という棲み分けを無意識でやっていたのだと思う。

2021年2月ころ、リストはほぼ出揃った状況になり、取捨選択を進めることになった。店舗もオフィスも流通もある中で、残念ながら自分が出していた物件候補は色々な側面で難しいと結論付けることになり、わかこさんが集めてきたリストから選定することになった。
その中で一つ、印象的な物件があった。
「めちゃくちゃキレイなビルなんですよ~海浜幕張です」
「本当だ、写真だけでもキレイなの伝わってくる!我々もいよいよこんなキレイなビルなんですかね~ でも落ち着かないな~」
落ち着かない、という自分の感想がわかこさんにも引っ掛かったのか、
「やっぱりキレイすぎて私達っぽくないですかね?」と聞いてきた。
「坪単価はどうですか」
「まあ予算よりはオーバーしますね・・」
坪単価がオーバーしてしまうキレイなビル。まだまだそんなキレイなビルに入る時期じゃないと見送ることにした。

わかこさんのリストには他にも、坪単価が自分の感覚にどストライクな物件があった。それが今回契約したユニバース千葉ビルだったのだが、わかこさんに詳細を聞くと、「この千葉の物件、めちゃくちゃ今いるEFGビル(丸山オフィスのこと)っぽくて、私達っぽい気がするんですよ」とのことだった。
サービスに関することは「トイサブ!っぽい」という会話が出てくる組織なのだが、「私達っぽい」という単語が出てくることは滅多に無いので、とても印象深かったのを覚えている。自分は気になる物件があるとすぐに見に行く癖があり、仲介をお願いしたオフィスバンクさんと約束する前に一人で外観だけ見に行った。
「本当だ、とても俺たちっぽいぞ・・・!」
最先端のデザインではないが、堅実に歴史を重ねてそうな外観だった。この日に、すでに、半分くらいは千葉にセンターを作るのが良いかもなと思っていた。

オフィスバンクさんとの約束の日、物件を見に行くんですよ~と話したら、なんとヤマト運輸中野支店チームも一緒に来てくれることになった。物流としての課題がない物件か、ということはもちろん、「トラーナさんの未来を僕らも支えたいんで」という熱いメッセージもいただいた。いつものヤマトのユニフォームを着ていない中野チームはなんだか新鮮で、それでいて頼りがいもあった。
物件を見て、課題をオフィスバンクさん、ヤマト運輸さんと議論して、だいたいの課題を出して、「トラックパース(大型トラックの車寄せのようなもの)がない課題を解決できないか?」という課題を検討。トラックパースがないと、大型トラックを止められず、輸送能力に大きな影響が出てしまう。そこで、「1-2階をトラーナで一括契約出来ればトラックパースも作れるかもしれない」というアイデアをオフィスバンクさんからもらった。
そこで1-2階を見にいくと(当初は別階で検討していた)、内階段でつながったモダンなフロアづくりになっていて、「なんて我々っぽいんだ!!」と自分の心の中で強く思った。
千葉の物件を見た後にヤマトさんと軽く食事したり、別日にも千葉で食事してみたりして、飾りすぎない街や人の雰囲気も好きになってきていた。一方で予算は1フロア分のみなので、2フロア分の予算は無かった。とはいえ、様々な交渉の結果、最終的に納得行く結果を出すことが出来た。

「っぽさ」とはなんだろうと思うけど、細かく言語化しないでとっておこうとも思う

わかこさんが私達っぽいと言い、自分は俺たちっぽいぞと思うということは、よほどこのユニバース千葉ビルは会社文化にフィットした物件だったんだと思う。自分は6年、わかこさんはサービスに携わり始めて4年経つ。そんな二人が言う「っぽさ」に合致したということは、この上ない意思決定だったと思う。
2フロア契約しますねとわかこさんに伝えたときは「え、予算どうするんですか?坪単価ではなくて総額がオーバーしますけど」と速攻でレスが返ってきて、様々な対処策を説明して、最終的にはお互い合意した。
「まあ2年前に急にCMやったりしましたからね・・」
結果的にサブスクリプションビジネス大賞をいただいたあの時期のTVCM放映を思い出す。我々は後から事実を追いつかせることについては天才的だ。
この「っぽさ」を、では言語化して共通化していこう!みたいなのはいわゆるアイデンティティだ。今では会社のバリューで「このゆびとまれ」「パイオニアとしてふるまおう」というのを掲げているが、なんとなくそこに合致した意思決定だった気がする。楽しそうでワクワクするが正解がよくわからないことをやってみる、ということなのかもしれない。細かく言語化しないでも、「あの意思決定はおれたちっぽい意思決定だったね~」とやんわりとしておくだけで良くて、そこに”5 why”はいらないな~と思っている。


振り返りとこれから

千葉第三センターの開設はわかこさんにオーナーシップを任せて、多くのメンバーに協力してもらいながら無事開設出来た。ちょこちょこ中野や高円寺から物資を運ぶたびに、「最高だな~千葉~!!!」と思いながら、夜な夜な一人で設置やゴミ出しをしていい気分になっていた。
別拠点を作るというのは、我々のようなモノが絡むスタートアップで最高に楽しい瞬間で、この楽しい仕事を自分ではない誰かに任せていくのが自分が事業家から経営者になっていく為のステップなんだろうと思っている。
千葉のスタッフのみんなは仕事に真面目な人がとても多く、ユーモアがある人、黙々と業務する人、細かい気配りをしてくれる人、約20名のスタッフが勤務開始している。採用も最高に良い形で始めることが出来た。

千葉第三センターはそのうち、一日単位で1,500箱近く、9,000個ほどのおもちゃが全国のお客様に届くための重要拠点に育っていく。千葉第三センターで働く人も100名をあっという間に越えていくだろうし、それに合わせて今ある丸山第一、高円寺第二の役割を変化させながら、人・モノ・場所を組み合わせて「トイサブ!」にしかない最高の品質を追いかけ続けることになる。
複数拠点を持ちながら最高の品質でサービス提供している会社はたくさんあるが、ここまで手作業で複雑なワークフローを高品質で実現している会社は他にそうないのではと思っている。すべての拠点を「流通加工で一番、働く人が輝く仕事に就いている」と社内外に思ってもらえるような拠点にしていきたい。その実現のために、最高に「っぽさ」が詰まったユニバース千葉ビルで業務が始められて、千葉に行くのが楽しみで仕方ない。
現場大好きな人が多く、業務中にゆっくり会話する機会はないけど、そうだね、千葉第三から一日300箱発送できた記念には隣のマンマパスタBAOBABでみんなと打ち上げしたい。

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株式会社トラーナ代表。トイサブ!という玩具のサブスクリプションサービスやっています。 4児の父。