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創業6年、千葉に1500平米越えの発送センターを作ったはなし(前篇)

こんにちは、トラーナのしだのりです。
玩具のサブスクリプション・レンタルサービスの「トイサブ!」を運営しています。2015年の3月に会社を作って(当初は合同会社)、6年経ちました。

トイサブ!は2015年11月に1人目のお客様をお迎えしてから、今では9,000名以上のお客様にご愛顧頂くサービスになりました。2015年のころは作業する場所がなくて自宅にシートを敷いたり清掃道具などを置いたりしておもちゃのクリーニングや梱包をしていました。(ご利用いただいているお客様、いつもありがとうございます!!)

そこから先日プレスリリースでもお伝えしたとおり2021年6月から千葉第三センター、1500平米越えの施設でお客様にトイサブ!をお届け出来るようになりました。6畳(約10平米)から1500平米へ。大きくなったな~と思っていまして、良い機会なので色んな観点で千葉第三センターを作ったはなしを書き残してみます。前篇と後篇に分けて書きます。

TL;DR
オペレーションを愛してやまないプロフェッショナルやトラーナファンの方に、センター増設の過程を公開することでサービスの今後やオペレーションへの思い入れが伝わればいいなと思います!

前篇と後篇でカバーする内容
・発送センターと現場に馳せる思い(前篇)
・「そろそろ検討はじめましょうか」から「千葉が一番私達っぽいのでは」まで(後篇)
・振り返りとこれから(後篇)

発送センターと現場に馳せる思い


このあたりから語らないと伝わらないのでは・・・と思います。よく「起業家・事業家・経営者」と言いますが、自分の良いところ(起業家として)でもあり悪いところ(経営者として)でもあるのがめちゃくちゃ現場好きということです。マクドナルドやASKULで働き続けたフリーターと学生時代、「厨房の汚れは心の汚れ」「カゴ車に載せる荷物の美しさは自分をうつす鏡」と教え込まれた経験はとても人生に影響しています。今でも小さなゴミが落ちていることや廃棄ダンボールの出し方などが気になるのでこっそりと自分で手足を動かします。
トイサブ!という事業は大変ユニークな現場プロセスが存在する事業モデルのため、現場好きな自分をバックヤードが離さないのです。最初は自分がオペレーションを考えて、そのあとにパートタイムの方に業務をお願いし、会社が大きくなりフルタイムの方に現場の管掌を任せて・・・と徐々に手放していっています。自宅からマンションの一室にオフィスが移り、3年前に今も稼働する丸山オフィスが開設し、高円寺第二オフィスと開いていく中で、自分の中に確固たる現場への思いがあるな、と強く感じるようになりました。

「アウトソースしましょう」という提案、頑なに持っているインソースへのこだわり


こうしてセンターを作っていくと、当然のようにパートタイムで働く方は増え、場所と在庫も増えていきます。事業を大きくする中でやってくる魔物が「効率化」という存在です。
「こちらのほうが効率的ですよ?」こういった言葉は耳を傾けねばならず聞こえないふりをしてはいけない、反論したければNOの理由をロジカルに積み上げなくてはならない。こども同士の「ねえそれ貸して」というやりとりと同じくらい、聞かねばならない重要な言葉のように思います。
この流れで、私達のようなオペレーション拡張のために人、場所、モノが増えていくモデルで当然のように検討するのはオペレーションの外部化です。たくさんのアウトソース提案を頂く中で、自分の思いとして完全アウトソース化は何度考えてもピンと来ず、インソースにこだわりたいと感じています。なぜなんだろう。アウトソース化すれば雇用や場所の悩みを効率的に解消してくれるのでは・・・一般論ではそうかもしれないのですが、インソースにこだわる理由があります。

発送センターの持つコミュニティとしての機能、それに紐づく流通加工の品質


トイサブ!という事業は、オペレーション観点では流通加工の側面があると考えています。流通加工は一般的に機械だったり手作業だったりします。私達がやっている「玩具の清掃・梱包」は言葉ではとても簡単ですが、それを一日1,000個以上(一箱に5-6点おもちゃを入れてお届けするので170箱以上)のスケールで行っています。全て手作業です。
そして、その手作業で梱包したトイサブ!の箱が玄関に届いて、届いた箱をご家族が「今回はどんなおもちゃが届いたのかな」とワクワクしながら開梱します。その開梱のときにどんな状態で届けられているべきか。そう考えると、おもちゃの向き、入れ方、ビニール袋の状態、テープの切り方、この一挙手一投足の作業にはこだわりが求められるのだと信じています。
これは飲食業と同じ感覚だと思います。美しい盛り付けは「わあ、めちゃくちゃ美味しそう!!」って思うでしょうし、そうでなければ、盛り付けに何も感じず口の中に入るだけです。「箱を開けたときに、親子がどう思うかイメージして清掃・梱包してください」と弊社の発送チームは教育され日々業務に向かっています。
新しいチームメンバーには業務の細かなやり方の前に、上記の考えを伝えていかなくてはならず、この考えに共感してくれるスタッフを雇う必要があります。そうでなければ清掃梱包の品質向上は出来ないと強く信じているため、オペレーション業務をアウトソース出来るかというと、「できない」と考えています。おもちゃのクリーニングや梱包業務はアウトソース出来ると思われがちですが、この業務こそお客様に届く物理的品質の最終検査工程であるため、インソースでこだわりたいのです。
そんな業務をより良くしていくのは、スタッフ同士で相互に会話と信頼があり、「今日もあの人達と一緒に働きたい」と思えるコミュニティ機能だと私は思っています。流通加工の現場品質を高めていくためには、働く人同士の働く楽しさが必須。働く楽しさを純粋に受け止められる風土を作るために応援団長のような管理スタッフがいて、アイデアを自己実現・他者承認される柔軟さが土台にあり、次に業務を行うための箱物である物件や設備といったものが優先順位として続きます。階級別に色別ビブスを身に着けて、上下関係の存在する中で「派遣さん」と呼ぶような流通加工ではトイサブ!の品質は高くならないと思うのです。

以上で前篇としまして、続きは後篇で!こんな思いからどうやって事務所の選定に移っていったのか、リアルなコミュニケーションも交えて書きます!

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